榎屋克優/高梨さんはライブに夢中


高梨さんはライブに夢中(1) (モーニング KC)

■ライブ初心者が現場で同僚に出会い、 惹かれて、彼女会いたさに様々なライブに 飛び込んでいく。そうか、著者は 「 日々ロック 」の人か。

結婚披露パーティのビンゴ大会で 新郎新婦の好きなバンドのライブチケットを 引き当てた主人公。売るのも悪い、 と現場に行ってみると、そこで会社の同僚の 女性を発見する。


ライブ初心者の主人公は結果的に 同僚の彼女に色々アドバイスを受けつつ、 彼女は結局盛り上がって興奮して クラウドサーフしてしまい、ライブ後には 自身の行為に反省する。一方主人公は 職場で見る彼女との落差に一気に恋に落ちたのだった。


以降は彼女のストーカーのごとく色々と 調べついていく主人公。どんどんと音楽の 振り幅も広くなっていく様子。 主人公が巻き込まれるわけではなく 同僚目当てで自分から進んでいろんな 現場に行っているのは作品の展開としては やや微妙。相手に振り回される展開に かわりがないのなら、主人公は自身の 意思とは関係なくライブ会場に行かざるを得ない という設定のほうがよかった気がするが。


それだと受動的にすぎてあんまり、という 話なのかもしれないが、一方で音楽ライブの 楽しみ方としては本作で描かれている内容は微妙。 個人的には、よくわからないまま周りにあわせる主人公も、それが 盛り上がりの結果とはいえ酒に飲まれた酔っぱらい同様の 興奮状態でリフトだダイブだモッシュだなんだを 楽しむヒロインも、まぁはっきりいっちゃあ邪魔な 存在なので、ライブの楽しみってそういうものだ、 的に描かれるのは迷惑。まぁ、主人公たちは、 音は聴いているし一体化した結果の行為ってこと なので、騒ぎたいだけのピンチケ連中とは違うのは わかるんだけど、いや、でも表出されるものは 同じなわけで。


日常と違うものを求めてライブ会場に来る、 というのはそうなんだろうけれど、 ライブで聴く音楽、見るパフォーマンスに魅せられたくて 来るんだろう、ステージの上にすべてがあって、客席には 別になにがあるわけではないんだ、ってのは はっきりさせて欲しいと思う。でもステージ上の アーティストは客席にリアクションを要求 しがちだからなぁ。いつも思うんだが、ステージ上の人物は、 言ってみりゃ会社の社長と同じ、孤独な存在なので、 そのことを自覚してアクションして欲しい。 客に求めたいことを求めるのは甘え。煽らないライブを 追求して欲しいんだけど、まぁ、不安なんだろうなぁ。 だから客をいじらないアーティストが個人的には 好きです。


【データ】
榎屋克優 (えのきやかつまさ)
高梨さんはライブに夢中
【発行元/発売元】講談社 (2018/11/22) ※電子版で購入
■評価→ C(標準) ■続刊購入する?→★★★
■購入:
amazon→高梨さんはライブに夢中(1) (モーニング KC)
新人サラリーマンの坪坂亮平は、たまたま足を運んだライブで同僚の高梨さんとバッタリ遭遇する。会社では物静かな彼女の正体は、なんと筋金入りのライブマニアだったのだ! そんな彼女にひと目惚れした坪坂くんのアツくて危険(?)なライブ・ライフが始まる! 『日々ロック』の榎屋克優が贈る体感型音楽漫画、ここに開演!!!


■当サイトの著者他作品レビュー
【オススメ】 榎屋克優/日々ロック

■当サイトの月間オススメはこちらから

亀/レキアイ! 歴史と愛


レキアイ! 歴史と愛 1 (星海社COMICS)

■史実に残る歴史上の偉人というか鬼才の「愛」に フォーカスして綴る作品。目の付け所は面白い。

歴史上の人物14組を取り上げ、彼らの愛の形について 抽出した作品。ネット、SNSから生まれた作品だけあって 描画はゆるいが、エピソード自体は面白いので するする読める。


テーマ設定が明確な分、切り捨てている要素も 多く、そういうまとめ方をするかぁ、 というものもなくはないが、 物事の見方のひとつの提示の仕方として はアリだとは思う。


ただ、史実とは異なる時系列で 描く部分があるのはどうなのか。 ストーリーにするためとはいえ、 わざわざ注釈を入れるのであれば 内容構成自体をなんとかしてほしかった。


とはいえ、本作を読むと、その人物のエピソードや 作品について興味が沸くという副作用あり。 そういう気持ちにさせる良い作品、ということなのだろう。


【データ】

レキアイ! 歴史と愛
【発行元/発売元】講談社 (2018/9/20) ※電子版で購入
■評価→ C(標準) ■続刊購入する?→★★★
■購入:
amazon→ レキアイ! 歴史と愛 1 (星海社COMICS)
凡人には理解不能!? 教科書には載せられない、歴史的奇才たちが繰り広げたエキセントリックな愛憎劇!  「ツイ4」好評連載作品、待望のコミックス化!



■当サイトの月間オススメはこちらから

飯野大祐/TIEMPO−ティエンポ−


TIEMPO―ティエンポ― 1 (ヤングジャンプコミックス)

■面白いサッカーものなのだが、キャラクター設定を 極端にしすぎな感じ。

楽しかったサッカーが、部活に急に参加してきた先輩によって 恐怖に変わってしまった主人公。怒られたくなくて 必死に対策を研究した結果、先輩のプレーに ついていけるようになり、自身も大きく成長する。先輩の卒業後に 自身の上達に気づくのだが、しかしそこで成長も止まってしまった。


そんな彼が進学先に選んだ高校は、 楽しめてサッカーをやれる一方で 成長もできるユニークな新進学校。 しかし誤算はそこで他校に進学したはずの先輩が 転校してきたことだった。


考えてプレーするサッカー話。そもそも主人公は、 怒られたくない、というプレッシャーからではあるが、 熱心に研究し、その結果自分のプレースタイルも変わっている。 進学先についてもものすごくリサーチしており、 すごいのだが、その努力を認める先輩がいない、 という設定なのは、残酷に見える。 だが、実はリアルなのかもしれない。 現実はそういうものだろう。


口は悪く他のプレイヤーにも同水準を要求する先輩が 複数登場、そして自己肯定感の低い主人公、 というキャラクター設定。同ジャンル作品が数多ある競争の激しい 分野でぱっと見で際立たせるには こうするほかないのかもしれないが、 物語の面白さに対してやや安易な設計に見える。 まぁ言いがかりに近い感想かもしれないが、 この手の話ではキャラの濃さが邪魔になる。 本作はその轍にはまっている感がある。


【データ】
飯野大祐
TIEMPO−ティエンポ−
【発行元/発売元】集英社 (2018/11/19) ※電子版で購入
■評価→ C(標準) ■続刊購入する?→★★★
■購入:
amazon→ TIEMPO―ティエンポ― 1 (ヤングジャンプコミックス)
中学生からサッカーを始めた瀬戸柚樹(せとゆずき)は持ち前の真面目さと、サッカーへの情熱を武器にメキメキと実力をつけていた。しかし、超狂犬FW・朝美圭右がサッカー部に中途入部すると、異常なほど気が弱い柚樹は、朝美に怒鳴られ続けることで、精神崩壊状態に。退部すら許されない事態に、柚樹が手繰り寄せた、窮余の一策とは!? 泣き虫フットボリスタが奇跡を紡ぐ、高校サッカー物語(バトルアウト)、堂々開幕!



■当サイトの月間オススメはこちらから

阿弥陀しずく/からっぽダンスR


からっぽダンスR 1 (フィールコミックスFCswing)

■人気作品の続編は前作の 直後の話から。元アイドルから元恋人まで 出現してなかなか騒がしく。

警察官でストーカーで、なにそれ?と 思うが人はいいひとという男子の 話だったはずがアイドルオタクから 実際のアイドルも物語に絡んで 転がっていくという不思議な 面白さのあった「からっぽダンス 」、 ここで終わりかと名残惜しかったが その声に編集サイドが続編企画を 決めたという。


話は前作の続き。同棲し結婚予定も 予定は未定の主人公カップル。 職場は内勤となり異動したが、 そこでの同僚にかつてアイドル研修生だった 人物が。その存在にかき乱される 主人公の生活。さらに元恋人まで 登場し、という流れに。


話を転がす上で登場人物を増やすという 選択肢をとったので、ややカロリーオーバー 気味な展開に。まぁ主人公たちに任せていては 物語が動いていかない内容なのだから 致し方ない。


考えすぎな人たちが色々考えてしまって 動けなくなったり変な行動をとってしまう、 という内容を、しかし、からっと明るく、 深刻でなさそうに見せてコメディとして 描く様は見事。前作読んでいる人には 本作ももちろん楽しめる。


【データ】
阿弥陀しずく (あみだしずく)
からっぽダンスR
【初出情報】turn.(2018年) 【発行元/発売元】祥伝社 (2018/11/8) ※電子版で購入
■評価→ C(標準) ■続刊購入する?→★★★★
■購入:
amazon→からっぽダンスR 1 (フィールコミックスFCswing)
帰ってきたドルオタ&ストーカー警官の恋。ストーカー気質な警官・久我慎一郎(くが・しんいちろう、24)は、ドルオタ彼女・月島翠(つきしま・みどり、29)と婚約し、同棲半年目。未だ、彼女の“推し”で人気アイドルの尚也に懐かれ、友人になってしまったことは秘密のまま……。その上、職場に“元アイドル”の男が異動してきていよいよ久我のハートは動揺MAX。一方、飲み会に参加した翠は、10年前の元カレと再会し―――!?


■当サイトの著者他作品レビュー
【オススメ】 阿弥陀しずく/からっぽダンス

■当サイトの月間オススメはこちらから

真造圭伍/ノラと雑草


ノラと雑草(1) (モーニングコミックス)

■ネグレクト少女と、娘を亡くした刑事の話。 うーん、そっちに行っちゃったか…個人的には、 あまり歓迎しない社会派作品。編集サイドの売り方は最低。

未成年JK風俗の現場、そこに踏み込む刑事。 やる気のない警部補は、そこで、自分の娘に 似た顔の少女を見かける。


その家出少女は他人の空似。それはそうだ、 刑事の娘は、既に亡くなっているのだった。 水難事故で娘をなくし、そして妻とも離婚した。 それ以来、無気力な刑事。 一方、少女は家に送り届けられる。 外面よく対応した親は、その後彼女を折檻するのだった。


行き場のない少女と、少女に娘の面影を見て なんとかできないかと考える刑事。 ただ少女は人にすがることが出来ず、すれ違う。 たぶんにリアリティのある話。 頼れる人もなく、頼りたいときには突き放され、 自分自身も信じられない少女。暮らしは底辺。 とはいえ携帯は持ち、SNSは使う。 そうした子は当然のように犯罪にも巻き込まれる。


少女の行く末を描くに、軌道修正し幸せに、 と願いはするが、大抵は、更生はしない。 自身がそうした暮らしを想像できない。 変わる自信が持てない。そうであれば、 関わった人もまた不幸になる。引きずり込まれる。 良かれと思った厚意がネガティブな反作用として 返ってくる。あるいは、周囲の無理解、 誤解により窮地に陥る。そういう話にならざるを得ない。


そういう物語を描く方向に行ってしまったか、 と著者の過去作品が好きな者としては複雑な思い。 作品として悪くはない、というか良質なものだと 思うが、そういう話を読みたいわけではない、特に 著者の作品として、という思いが勝ってしまう。 フィクションを描ける人には、 駄目な社会の現実を描写するよりももっと 夢や未来を見せて欲しいのだが。 もちろん、この話がそういう展開を見せる可能性もないではないが。


そもそもネタ元が「ギャングース」の原作者の本だったり するわけで、なんでそこに行ったのだろうという疑問のほうが大きい。 そこまで描きたい題材なのだろうか。 ただし、こういうシリアスな話に、モデル絡めてグラビア 作ってコラボレーションする、というセンスは ちょっと受け入れられない。 編集部のこの売り方は、無神経すぎて無理だわ。


【データ】
真造圭伍 (しんぞうけいご)
ノラと雑草
【発行元/発売元】講談社 (2018/11/22) ※電子版で購入
■評価→ B(佳作) ■続刊購入する?→★
■購入:
amazon→ ノラと雑草(1) (モーニングコミックス)

貧困、虐待、JKビジネス。国内外から注目を集める最旬作家・真造圭伍が、この国に生きる少女の今リアルを見つめる衝撃の最新作!/刑事・山田はJKリフレのガサ入れ現場で、亡くした娘にどこか似た少女・詩織に出会う。母親からの虐待で家出を繰り返す詩織に迫る危険。山田は、少女を救うことができるのか。 希望を知らない家出少女と、希望を失くした中年刑事。 二人の出会いが、絶望を溶かしてゆく。


■当サイトの著者他作品レビュー
真造圭伍/休日ジャンクション
【オススメ】 真造圭伍/トーキョーエイリアンブラザーズ 【オススメ】 真造圭伍/みどりの星
【オススメ】 真造圭伍/台風の日 真造圭伍短編集
【オススメ】 真造圭伍/ぼくらのフンカ祭
【オススメ】 真造圭伍/森山中教習所

■当サイトの月間オススメはこちらから

スズモトコウ/陽子さん、すがりよる!


陽子さん、すがりよる!(1) (マガジンポケットコミックス)

■友達が作れない子の話、に見せかけて、 親友話になっているのは可愛らしくてよろしい。

強面の高校生。クラスで二人組を作れという話に、 一人余っている女の子に声をかける。そのことに彼は 後悔するのだった。


それから彼女は、常に彼につきまとう。 そして彼の前では明るく雄弁。しかし面倒なので 他のクラスメイトと仲良くなるよう誘導するのだが、 彼女は彼に固執するのだった。


結果ふたりは仲いいじゃないか、ってお話。 ただ男女の仲の話ではなく。他の子たちも 巻き込まれる形で、友達広がってんじゃねぇか、 って話になっているのは、個人的には楽しい。 まぁ単なるラブコメだよな、これ…ヒロインが意識してないだけで。


【データ】
スズモトコウ
陽子さん、すがりよる!
【発行元/発売元】講談社 (2018/11/9) ※電子版で購入
■評価→ C(標準) ■続刊購入する?→★★★★
■購入:
amazon→ 陽子さん、すがりよる!(1) (マガジンポケットコミックス)
つっけんどんな森岡くんと、ちょっと陰キャ(?)な陽子さん。なぜか皆から浮いちゃう2人と、クラスの愉快な仲間が紡ぐ、ハチャメチャ元気なラブコメディ!



■当サイトの月間オススメはこちらから

風町ふく/龍神さまとくらしたら


龍神さまとくらしたら 1 (芳文社コミックス)

■ ふわっとした優しい雰囲気の一品。神が見える系の 話、なのだが、神同士でいろいろと葛藤があるらしい。

遅刻しそうな登校中に近道として神社に立ち寄った高校生は、 川が干上がっているのに気づく。そして川辺には一人の 子供が倒れていた。


けれどもその子は、助けた彼と、親友には見えるのだが、 教師には見えないらしい。確かに頭にはツノが生えている。 彼は龍神であるらしい。その母が川を司っていたのだが、 その母がいなくなった。さてそれは何故、そして何処へ。 ということで、少年たちは龍神の母探しに手を貸すことになる。


主人公の少年たち人間は狂言回し。二人の家庭の事情は いろいろあるようなのだがひとまずそこは語られず、 完全に神々に関する話に。神社の子には神が見えるようで、 そこで神社の神様に会いに行くのだが、神は寛容ではなかった、 という展開は面白い。


八百万の神が次々出てきて、それらでクエストしていくような 話。人間が関与している意味合いが今のところ薄いのだが、 主人公たちが何故この話に関与させられているのか、 を上手く物語に乗せられるようなら良い話に仕上がると思う。


【データ】
風町ふく
龍神さまとくらしたら
【発行元/発売元】 【レーベル】 【発行日】2017(平成29)年月日初版第1刷発行 ※電子版で購入
■評価→ C(標準) ■続刊購入する?→★★★
■購入:
amazon→ 龍神さまとくらしたら 1 (芳文社コミックス)
男子高校生の直が通学途中で拾ったかわいいちびっ子。不思議な力をもっているその子の正体はなんと龍神さま!! いなくなってしまった母親をさがして欲しいと頼まれた直は協力することに。不器用な男子高校生とかわいい龍神さまの優しい同居生活が始まる…。



■当サイトの月間オススメはこちらから

| 1/636PAGES | >>

search this site.

mobile

qrcode

selected entries

categories

profile

others

powered

無料ブログ作成サービス JUGEM