【オススメ】 吉田基已/官能先生


官能先生(1) (イブニングKC)

■【オススメ】作家は夏祭りで出会ったひとに夢中になる。 まだるっこしさも妄想も含めて官能的な一作。

占い師に仕事運を見てもらったはずが、この恋はうまくいく、 と相手もいないのに断言された男性。 なんだそれはと思いつつ、夏祭りのさなか、 一人の女性と出会い、恋をする。


出版社に勤めつつ作家として小説も発表している 四十がらみで独り身の男性が主人公。 彼は、二度と会うこともあるまい、と 思っていたあの夏の女性に再会。 彼女は主人公が行きつけの喫茶店で 働きはじめていたのだった。


あの出会いを覚えていないのかい、 とアプローチする主人公に彼女はつれない。 しかし、彼の告白に、後で顔を赤らめもする。 脈がないわけではなさそうだが、 彼の前ではそのような姿は見せず、 主人公ひとりが悶々とし続ける。


そんなまだるっこしい話と同時進行するのが、 主人公に持ちかけられた新たな書き仕事。 これが彼の愛読者という編集者によるポルノ小説 の依頼だった。この仕事は断ろうと思いつつ、 彼女を想像しては妄想をかきたてる。


しかしまぁ不器用な人物同士による不器用な話で、 だがこのスローな話運びはだからこそリアリティもあり、 絵も会話もねっとりとした描写は 現代における私小説のよう。 まぁ時代設定もどう考えても2000年代ではなく、 黒電話とチンチン電車が走っている風景から 舞台は今から50年は前の話ということになるのだろう。


官能というよりも悶絶という感じの話だが、 昭和の雰囲気のなかで描く内容がこれ、という ギャップがあるような、いやしかし 雰囲気にぴったり合っているような話は独特の魅力あり。 『コミックDAYS 』で『イブニング』を 読んで、そういえばレビューしていないと気づいたので 遅ればせながらご紹介。


【データ】
吉田基已 (よしだもとい)
官能先生
【発行元/発売元】講談社 (2017/6/23) 【レーベル】イブニングKC 【発行日】2017(平成29)年6月1日発行 ※電子版で購入
■評価→ B(佳作) ■続刊購入する?→★★★★
■購入:
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ある夏の日、偶然引き寄せられた小説家と謎の美女。そしてそこから二人が紡ぎ出す、狂おしい愛の記録。話題沸騰! 『恋風』『夏の前日』の吉田基已の最新作!!


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