【オススメ】 井上真偽、三月薫/探偵が早すぎる


探偵が早すぎる(1) (マガジンエッジKC)

■【オススメ】原作本がなければこのテンポでの展開は無理だろう。 面白い探偵サスペンスもの。原作が読みたくなった。

車椅子の女の子が主人公。彼女が置かれている状況は、 父が亡くなり巨額の遺産を受け継ぐ立場となったが そのため本家から命を狙われる、というもの。 彼女は信頼している家政婦を通じ、 その友人であるという探偵に事態の解消と好転を 依頼する。


その探偵が、本家の者たちの企みを察知し 問題となるまえに潰していく、という早すぎる行動 で事件を解決していくお話。アイディアと構成が面白い。


状況を冒頭で提示し、あとはシングルタスクに分割した エピソードを連ねていく、という構成は昨今の ライトノベル的。登場人物も 家政婦以外は裏のないフラットなキャラクターとしており、 その家政婦もさほど活躍の場を与えない、という設計も 読みやすい作り。


だからこそエピソードの質でおもしろいかどうかが決まる。 本作は量、スピードでその質を担保する。 次々と提示される犯罪計画、しかもそれは、 遺産継承者から外れないために自身に目が向かないような 完全犯罪である必要があるため綿密な設計となる。 一方で探偵はそれを事前に破綻させる必要がある。 この仕掛けにより読み手は二重に楽しめる。


通常の犯罪ものと違い、犯罪が起こる前に阻止する、 という仕掛けを施した点がユニーク。 その分、犯罪者側が計画を語る必要があり、 主人公サイドの存在感が薄くなる、というのは副作用。 そのために主人公サイドにさもないエピソード を投入せざるを得ないのがラノベ的な薄さともいえるが、 本作の場合たぶん薄く見えたエピソードはその後の伏線として 使われるのだろう。そう深読みさせるほどの盤石な構成。


ミステリ好きの人からすれば チープ、というのはあるかもしれないが、 一巻のうちに犯罪計画が3件出てくる、 なんてスピーディな展開は原作のコミカライズ でないとできない勿体無いテンポであり、 これとオリジナルのマンガが対抗していかなければ いけないとすると、なかなかに罪深い作品である。 原作はこちら→[まとめ買い] 探偵が早すぎる


【データ】
原作=井上真偽(いのうえまぎ)、著=三月薫 (さんがつかおる)
探偵が早すぎる
【発行元/発売元】 講談社 (2018/8/30) 【発行日】2018(平成30)年8月1日初版第1刷発行 ※電子版で購入
■評価→ A(絶品) ■続刊購入する?→★★★★★
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父の死により莫大な遺産を相続した女子高生の一華。その遺産を狙い、一族は彼女を事故に見せかけ殺害しようと試みる。一華が唯一信頼する使用人の橋田は、一華の命を救うためにある人物を雇った。それは、“事件が起こる前にトリックを看破し犯人(未遂)を特定”してしまう究極の探偵!史上最速で事件を解決、探偵が「人を殺させない」大人気傑作ミステリを完全コミカライズ!



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