【オススメ】 大場つぐみ、小畑健/バクマン。

バクマン。
バクマン。 1 (1) (ジャンプコミックス)

■ 【オススメ】 マンガはじめて物語。

美術展で賞をとっていたような 子供は、少し長じて醒めた中学生に なっていた。好きなクラスメイトが いるが声を交わしもせず、かといって 悶々とするわけでもなく。でも 彼女の似顔絵を描いていたノートを 教室に忘れたことを帰宅後気づき、 とりに戻るとそこには学年一位の クラスメイトが。彼はノートを 手にしていた。ばれた、と思った彼に、 主人公は、両思いなんじゃないの、 と茶化される。内緒にしておいてやると、 という彼はしかし交換条件を出してきた。 それは、俺と組んでマンガ家になってくれ、 というものだった。


学年一位の頭を持ちつつ勉強ができるだけではない 秀才が、山っ気をもって、絵のうまいしかし 人生を達観してしまったクラスメイトを 誘って、ネームと作画と担務わけしたうえで 二人組の漫画家になろう、というお話。 漫画家が漫画家周辺の話を描くのだから 面白くないわけがない。楽屋周りのネタも あちこち出てくるのでそれを楽しむのも いいが、それだけのマンガではない。 ノウハウやノンフィクションもの とは一線を画した マンガ家誕生物語としてユニークな作品となっている。


主人公がペシミスティックになったのは、 漫画家だったおじさんのその人生を知っているからで、 しかし中途半端に身近にいたので、その生き方を誤解した 面もあり、それが解けた後は熱血人間にかわっている。 これが本来の彼の姿なのだろう。 そしてロマンチストでもある。おじの人生をなぞる かのような話で、そうした設定が作品に厚みを 与えている。


一方、この話は、声優志望の女の子の家は裕福そうだったり、 主人公の父も同様そうで、父も祖父も理解があり、 おじの仕事場も長らくキープしていると、 恵まれた環境での話である。 生活に直面するような外的要因が排除 された まま話が展開するとなると面白い。 実験室での研究のようなものではあるが、 現実に引きずられることなく純粋にマンガ業界だけの 話に特化できる点で、理想的かもしれない。 といっても、このあとも試験管のなか かどうかはわからないが。


なんにせよ、このコンビの新作であるのだから、 批判したり斜めから読んだりするにしても、 確実に注目に値する作品である。


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【データ】
原作=大場つぐみ(おおばつぐみ)、漫画=小畑健 (おばたたけし)
バクマン。
→ 【 アマゾンで購入 : バクマン。 1 (1) (ジャンプコミックス) , ビーケーワンで購入 : バクマン。 1 ジャンプコミックス
著者の他作品(過去記事)→ 鷹野常雄、小畑健/BLUE DRAGON ラルΩグラド
【帯】『 DEATH NOTE』 すら凌駕する、“大場つぐみ×小畑健”が描く現実!! 少年達は漫画の底知れぬ可能性に気付いた。  週刊少年ジャンプ誌上で好評連載中の青春漫画執筆活劇、 待望の第1巻!!

【裏表紙】 一握りの者にしか得られない栄光を手にするため、 険しい“マンガ道”を歩む決意をした二人。 高い画力を持つ真城最高と、文才に長ける高木秋人 がコンビを組み、新たなマンガ伝説を創る! 新時代成功物語開始!!
掲載=週刊少年ジャンプ 平成20年37・38合併号〜44号

集英社
ジャンプ・コミックス
2009(平成21)年1月10日初版第1刷発行
定価=400円+税



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