芳崎せいむ/風のゆくえ 天のめぐり

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風のゆくえ 天のめぐり(1)

■考古学者と雑誌記者のバディもの。

テレビの番組で有名になった二枚目の考古学者。 彼が共演した女優といい仲なのではないか、 ということで雑誌記者はそのネタを追うことに。 しかし、考古学者に直撃してみると、 彼は小学生の頃の同級生だった。


という設定なのだが、記者が気づくまでには時間がかかる。 その勿体ぶったところが著者らしいところか。 女優との恋愛ネタが最初に出てきつつも、 この話がぜんぜん膨らまず。 発射用ロケットにしてももう少し・・・と思うのだが、 引っ張り続けてはいるので、何かしら絡ますつもりではあるのだろう。


話は、考古学の面をより深堀りする方向に。 かつて革新的な、斬新な主張をした学者がいたが、 その論は葬り去られてしまった。しかし、物語の主役の一人たる考古学者は、 その論文が掲載された幻の雑誌を追い求める。


とはいえ、学者が長らく追いかけているというのに、 記者が考える手段が極めて幼稚で、本当に雑誌記者か?リサーチ力ないけど大丈夫か? というかパソコン使えないとかいつの時代の話なのか、 と愕然とする。著者の作品にありがちな弱い構成がそのまま表に出てしまったような作品で、 もう少し丁寧に組み立てたらより面白いものになったのでは・・・と思ってしまう。


《以下追記》しかしさすがにこれはオカシイと違和感を覚えまして調べたところ、こちらは2009年小学館クリエイティブから書籍が刊行されており、ということはつまり更に遡って原本があるわけで、1997年の作品であることが判明。1997年なら無理のないお話ですね・・・申し訳ありません。ちなみに、アマゾンで調べて判明しました。なぜなら、本電子書籍には初出情報がないからです。そして奥付部分には2014年4月発行の表示のみ。マルシー表記も2014年です。 《以上追記おわり》


1997年作品。2009年には小学館より再発あり。今回、2014年に電子版刊行。


【データ】
芳崎せいむ (よしざきせいむ)
風のゆくえ 天のめぐり
【発行元/発売元】講談社 【レーベル】Amie講談社コミックス 【発行日】2014(平成26)年4月1日発行 ※電子版で購入
■評価→ C(標準) ■続刊購入する?→★★★
■購入:
amazon→風のゆくえ 天のめぐり(1)
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自分はいま、なぜここにいるのか……。ほかのどこでもなく、なぜここなのだろう――? 新進気鋭の考古学者・上月(こうづき)のスキャンダル記事を狙っている雑誌記者の津嘉山(つかやま)。はじめての出会いなのに、なぜだか心ざわめく彼は、勢い、上月の“鏡片探し”の旅に同行することに――。芳崎せいむが贈るネオ考古学ロマン!!

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