【オススメ】 冬目景/イエスタデイをうたって

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イエスタデイをうたって 1 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)

■【オススメ】青年のモラトリアム生活を 気だるげにしかし綺麗に描く。

1999年の旧作ですが電子版を買ったのでご紹介。 危険なモラトリアム作品である。


大学を出たがやりたいことがなく、 コンビニでバイトするフリーター生活を送る青年。 学生時代、恋人未満だった友だちは 非常勤講師の口があり実家のある金沢へ戻っていった。 が、その後すぐ東京の高校に赴任することになり、 彼と再会する。一方で、怪我したカラスをペットにして 肩に乗せて街中を闊歩する少女は彼に気があって アプローチしてくる。


フリーターが美女ふたりの間で揺れ動くという、 夢物語である。貧乏なはずだがその貧乏さも さほど感じさせない描写が綺麗で、これもまた 読者を魅了する麻薬である。


実際のところ青年には出口がない。職につくつもりがなく、 やりたいこともない。彼を好きな少女も明るく屈託がないが、 高校を中退しており、これまた何がやりたいということもない。 一方で彼が惚れている女性のほうは教師の職についているが、 非常勤の身であり、昔好きだったひとが亡くなってしまい、 それ以来、宙ぶらりんな気持ちでいる。みな、袋小路にはまっている。


そんな、モラトリアムを描く物語のなかでも最も凶悪な類の傑作である。 主人公の告白を拒絶しながらも友人としての付き合いは 求める女性は、魔性の女である。・・・現実にも結構いますな・・・。 こういう相手に振り回されたら悲劇、もしくは喜劇である。 そしてこの話は、そういう話である。 時間の止まったなかで展開されるまったりとした話。 物語であるがゆえに綺麗、閉ざされたフィクションであるがゆえに許される 話である。


【データ】
冬目景 (とうめけい)
イエスタデイをうたって
【初出情報】ビジネスジャンプ 平成10年1号〜4号、18号〜22号 【発行元/発売元】集英社 【レーベル】SHUEISHA YOUNG JUMP COMICS 【発行日】初版発行1999年、デジタル版発行2014年 ※電子版で購入
■評価→ B(佳作) ■続刊購入する?→★★★★★
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大学卒業後、コンビニでバイトをする魚住。そんな彼の前に、ある日カラスを連れた少女・ハルが現れた…。 「49%後ろ向きで、51%前向きで…」 へそ曲がりだけれども正直な彼らの心は、舞い落ちる桜のようにゆらゆら揺れて…。

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