高校生男子が家に帰ると鍵が開いていた。ということは、と入ると、おかえりとラフな格好で 迎えいれる笑顔の美女が。彼女は、3つ上の姉の中学時代からのともだち。
美意識が高い美人な姉がその審美眼でもって選んだ友達が、ひーちゃんこと日向子さん。 そして弟であるあっくんこと旭くんも好みは姉と同じ。ということで美形な彼女に惹かれているのだった。 大学進学を機に実家を出た姉につきあわされて二人暮らし、 そこに姉がスパルタでしごいて同じ大学に進学させたひーちゃんが入り浸るという状況。 極力無茶に見せない設定で描く疑似同棲話。
彼は彼女に好意を覚え、しかし弟扱いされているという認識もある。 そんな状況のラブコメ話。これがラブコメとして成立するのは、 実は相思相愛であるから、なわけだが。その甘酸っぱさが素晴らしい。 その後ろに、全部わかっている少年の姉がいる、というのが出来過ぎなわけだが。 それもまた良し。
姉とふたり暮らしの家にいりびたる、姉の親友・ひーちゃん。完璧に顔がよくてかわいくて、その上いろいろ距離が近すぎる彼女に、オタク男子高校生・旭は翻弄されっぱなし…? 距離感バグりぎみ美形ギャル×おかん系男子、両片想いじれキュンラブ!!
王国の次期女王である第一王女。彼女には婚約者がいる。伯爵家の次男で、 彼女のことを愛していることが態度の隅々から分かる、のだが彼女はそれを疑っていた。 王家には固有魔法があり、それは他人の心の内を知ることができる読心魔法。 その魔法が、婚約者の本心は彼女を嫌っていると告げているからだった。
心が読める魔法を持つ者の話。しかしその魔法にエラーがあるのでは、 という珍しい設定の話。呪いの結果、本心と違うものが見えているのかもしれない、 しかしそんな障害がありうるのか、どうなのか、と悩む話になっている。
読心魔法も、その人の心の姿が掌ほどの大きさで現れて喋りながら動く、 というもので、実に漫画や動画に向いていて可愛らしく素晴らしい。 本当は相思相愛のようなのに、ヒロインは婚約破棄を思い詰める。 障害が彼女自身の能力にある、というところが異色なハーレクイン的ロマンスである。
勘ちがい王女×不憫な婚約者 極甘すれちがいラブコメディ!
数々の魔法を使いこなす第一王女・エステリーゼ。 そんな彼女の悩みは、やたら愛をささやいてくる婚約者・セオドアの存在。 なぜなら「エステル、愛しています(本当は好きじゃないけど)」って、読心魔法で心の内がお見通しだから!
だけど必死な彼が本気にも思えてきて――まさか、心の声が間違っているの?(※正解)
彼の心だけ正しく読めないのには、とある事情が……? 勘ちがい王女×不憫な婚約者 極甘すれちがいラブコメディ!
優秀な長女と、美少女と言われる三女に挟まれた貴族の次女は、目立たぬ存在。小さな魔獣をてなづけることのは得意な程度。そんな彼女が助けた魔獣が懐いていたところを、襲いに来たものだと誤解され、かばった彼女が斬られてしまう。
が、実際には破魔の剣は彼女を鞘とみなし、彼女の身体に取り込まれることになった。剣の持ち主で軍神と呼ばれる第二皇子は、剣の鞘となった彼女を正妃として迎えようとする。
偶然発揮した能力、特質が呼び込むシンデレラストーリー。皇子は手段として彼女を求めることになったが、結果的にロマンスに進展していく様子。ヒロインも皇子も状況を冷静に理解している分、 話として派手な動きはないが、やたら騒がしい話よりは好感が持てる。
この手の話としては、ヒロインの置かれていた環境、家族に おける立場が特に虐げられたものではなさそうに見える点は良い設定、とはいえヒロインにまつわる噂 もあったようでその出所は一体どこか、そこを深堀りするのかどうか。
私はただの「鞘」なのに―。もどかしい想いが交錯するシンデレラロマンス!
優秀な長女と美しい三女に挟まれ、目立つこともなく生きてきたオードル家の次女サクラ。小さな魔獣を手懐けること以外、これといった特技も持たずひっそりと生きてきたにもかかわらず、サクラは一夜にして「軍神」と呼ばれる皇子カイの妃として連れ去られてしまった。その理由は、サクラが「破魔の剣」を納める鞘となる身を持っていたから――。ただ「剣の鞘」としてカイの手元に置かれるため、正妃として迎えられたサクラだったが、その聡さ、優しさが冷徹なカイに少しずつ変化を与えていく。不器用にすれ違いながら愛を深め合う、美しきシンデレラロマンス!
30代でブラック企業を退社し地元に戻ってリサイクルショップを開業して2年になる人物。 今の仕事は性にはあうが利益は薄い。そんななか自分の敷地内に見つけたのは大きな穴。 地盤改良なんてする余裕はないのだがと思いつつ、捨てたはずの枝木が消えた。 ゴミも捨ててみたところ一晩たつとこれも消えていた。 監視カメラもつけて見たが誰かが持ち去るということでもなく、穴の奥にと消えていく様を見て、 男性は問題なしと判断、逆に便利なものとして事業ゴミの捨て場として活用することにするのだった。
題名にダンジョンとあるのでつながってる先が異世界なんだろうなと思わせはするものの、 そのブラックホール的な穴をブラックなビジネスに使うという、え、そっちなの?というお話。 グレー通り越してブラックなお仕事テーマのホラーみたいな作品。
業者が押し付けてきた廃棄物も穴に捨てられたことで、その手のものを引き受けはじめ、 リサイクル屋は休業状態、廃棄物処理の免許も取るがそこに怪しげなサラ金も関わり、 当然裏社会とつながっており、また地質調査を相談した大学教授も産廃処理技術を 詐欺まがいの契約を結んで奪い取ろうとするなど、出てくる人物全員駄目。
そんななか、穴にゴミを捨て続けた男性は、金は入ってくるうえに、 なにか力もみなぎってきて、ヤクザが送り込んできた人物も動きを見切って追い払い、 教授の企みも地獄耳で看破する。その力はどこから?どうして?というところで 例の穴とつながるのだろうが、なんでまた?ということは一切触れられずに一巻終了。 ブラックファンタジーというかホラーミステリというか、そういうテイストの作品に 仕上げているのは方向性として面白い。
ある日、家の庭に穴があいていた。落ちたら危ないのでゴミを捨てた。家庭ゴミを捨てた。事業ゴミを捨てた。建設ゴミを捨てた。しかし穴は埋まらない... そんな奇妙な穴だが、ビジネスに有効利用できた。しかし良からぬ奴らも次々と寄ってきて… これは、穴に魅了された男の、狂いゆく人生を描いた物語。
「第1回一二三書房WEB小説大賞」“金賞”受賞。小説家になろうで人気を博した怪異譚が待望のコミカライズ。
同じ高校に通う幼馴染ふたり。一方は可愛い女の子。一方は校舎裏でタバコも吸うようなヤンキー女子。しかし可愛い女子はヤンキー女子が大好き。で、テストの成績で勝ったことを理由に なんでもお願いを聞いてもらうとして、双子コーデを持ちかけるのだった。
1ページ4コマ定形基本のストーリーもの。精神的双子の可愛い女子二人の話。 ヤンキー女子のほうは自分が可愛い格好なんて似合わない、と思いがちで、 一方の幼馴染は彼女がそんな気持ちになるのが嫌い。 自分自身を可愛いと思っているが同様に幼馴染のことも可愛いと思っており大好きなのが 素晴らしい、百合っぽい友情もの。
どう話を広げるのかなと思ったところで、可愛い制服を着られるバイトを一緒にはじめ、 更に今度は実際に双子の男子を登場させる展開。その双子男子も彼女たちを 投影したような設定で、そちらに進むのかなと思わせつつ、幼馴染の過去話を 匂わせて巻またぎ。続刊が読みたくなる仕掛けで上手い。
『ギャルがシルバニアファミリーを溺愛したら。』『着物ちゃんとロリータちゃん』の著者最新作!正反対な幼馴染2人のお洒落と青春!
異世界転生もの。転生特典として回復系魔法の治療師の才能を得たのだが、 この世界は美醜の価値観が逆転していた。 そこへやってきたのは、呪印により淫欲の状態異常となっていたエルフ。欲情した 状態で彼を襲ってくるのだった。
彼の感覚としては凄い美人、だがそれはこの世界では醜いということなのだが、 彼は素直に綺麗だという言葉を口にする。エルフの冒険者仲間は、 そんな言葉でいつも騙されてきたじゃないかと警戒するのだったが、 彼の言葉が本心からのものとわかり、仲良くなる。
転生もので、美醜の感覚が逆転している世界で、ブス専もので、 という設定だが結局まわりまわって 女性パーティとのハーレムもの、というお話。 設定は面白いがこれ出オチだよね、なんか展開あるのかな。
電子書店のレビューで点が低いのは修正問題が原因の様子。 まぁちょっと極端な修正で絵がなんだかわからん状態になってますが、 モロに描かれていたらそれはそれで完全エロ漫画であり。 まぁそれはそれでいいような気はするんですが。
不遇な美女冒険者たちの寄る辺ないココロとカラダを癒やします♪
美醜の価値観が逆転した世界に転生した主人公・トーワ。 女神様から受けた転生特典“治癒能力”を活かし治療院を営んでいたある日、 見るからに美しいエルフ少女が治療を受けにやって来る。 しかし、なぜか腰をガクガクしていて様子がおかしい…… と思ったら、トーワを押し倒していきなり襲いかかってきて――!?
不遇な美女冒険者たちの寄る辺ない心とカラダを癒やします♪ 異世界治癒ハーレムコミカライズ開幕!!
明るい性格で成績優秀、先輩や教師からの評判もよく、ついたあだ名が「ヒロイン」 という女の子。しかし同じ学校に通う一つ年上の兄の彼女を見る目は複雑な表情。 廊下で会って話しかけられたときも微妙な対応。そしてそれを、帰宅後、妹に なじられる。実際の彼女は、口が悪くてガサツ。なのだが学校では猫かぶりを続けるつもり。 とはいうのだが、それが少し無理をしているようで、メッキが剥げかけていなくもなく。 そこへ舞い込んだのが、ある手紙。そこには、あなたの秘密についてお話したい事があります。放課後に 校舎裏で待っています。と書かれていた。
猫かぶりしている「音子(ねこ)」ちゃんが、その本性を声から気づいた先輩に演劇の世界に誘われる話。 その演劇でなら素も出せるぞ、ということで説得され、周囲の状況からも受けるほかなくなるのだが、 演技自体はノリノリで溌剌としながらいつもの自分を曝け出す。
ヒロインの面白さは、猫を被った自分について、それで周りを騙しているのだから最後まで騙し切る責任がある、というところ。「遊園地の着ぐるみで考えてみろ/ステージ中に脱いで中の人が出てきたらガッカリなんてモンじゃねぇだろ!それと一緒だ!」と。その信念に演劇に誘う先輩も想像以上だとより一層気に入ることに。演劇披露の初日が早々にやってくる展開は意外だったが、その芝居の内容も作り込んでいるのは偉い。この手の漫画はその辺を逃げがちなので、感心した。
そして後半では演劇部入部希望者が登場。その子は実はヒロインが猫かぶりのキャラクターの参考にした少女だった、という展開で本当のヒロインが出てくるのは想定外。風呂敷を更に広げて話を拡張していく展開は素晴らしい。
外では美少女、家ではガサツ。そんなネコを被った少女・広瀬音子。しかし、そんな彼女の正体を見抜く先輩が現れて…?ネコを被るなら演技の中!?本性を隠すべく何故か演技に挑戦することに…!ネコ被りJKがお贈りする演技コメディ、ここに開幕です!
ゲームセンターでクレーンゲームをしている少年に話かけられた少女は、 そこで仕事を済ませた帰り。その仕事は、殺し。暴力団に飼われており、 その仕事を引き受けていた。
そんな彼女に、件の少年が今度は公園でアプローチ。 一目惚れしたのだという。付き合ってください、という彼と、 彼女は付き合うことになる。
少年と同棲しつつ、殺し屋稼業を続ける少女。 誕生日に着飾ってレストランで食事をする予定が、 休みであったはずのその日に臨時の仕事が入るのだった。
ヤクザもので殺し屋もの、一方で主人公たちはピュアな感じで絵柄も可愛らしい。 残虐なシーンも多く、絵柄とのすり合わせがなかなか難しそう。 話は、好きな彼氏を生かすために彼を殺し屋として一人前にすることになる、 という展開。彼の姉が死んだ理由というか場面も記される。
これは切ない純愛というよりも神話を現代に焼き直したような 話か。物騒すぎるが。
ヤクザに殺し屋として育てられ、人の愛を知らずに育った少女、ねずみ。何も知らない普通の青年、碧(あお)。二人は恋に落ち、共に暮らし始めるが、魔の手はすぐそこまで迫っていた‥‥。あまりに残酷で、あまりに切ない、初恋の物語。
高校2年で漫画家になり騒がれたが、不評の数々を目にして漫画が描けなくなってしまった 少年は大学に入学。漫画はもうこりごりと思っていたのだがサークル勧誘を断る口実に 漫画研究会に入るのでと言ったところ、漫研に入ると決めていたという女子と遭遇する。 彼女が作品を読んで漫画家になりたいと思ったというのが、彼の漫画だった。 彼がその作者と知らぬまま、彼女はプロになって会うのが夢という。でも会ってどうするの? と聞くと、「ぶち殺す」「絶対に殺す」というのだった。
まだ何者でもないが作品を読まれることが快感だという少女は、 彼とは違う性格なのかあるいはそれはまだ何者でもない故の楽観なのか。 しかし彼女の性格がSNS向きだということを見て取った漫研の先輩は SNSに漫画をアップして知名度を上げることでプロになる道を切り開くことを提案する。
見知らぬ他人に傷つき神経すり減らした人物と、見知らぬ作家に情熱の火を焚べられた人物、 両者が出会うお話は、漫画家の卵もの。少女は自身が憧れている人物自身に それと知らずに自分のアドバイザー、担当編集者になってくれと懇願する。 結果二人三脚で話が進んでいくバディもの。 よくある粗削りな青春ものではあり、漫画がテーマなのも珍しくないが、 出てくるキャラクターや成功への方法論は現代風にアレンジされている。
SNS研究会の「フォロバしてくれない人は切れ!フォロバしてくれた人は相手が忘れた頃に切れ!そうしていればそのうちフォロワー数がフォロー数を超える!」「まずトレンドに上がってるワードをこれでもかと使ってつぶやく!」「一切関係ない言葉も構わず動員して自分の投稿を人の目にいれまくれ」「他人のバズった投稿のコメント欄で自分の宣伝をする」「バズりのおこぼれをもらうんだ」「他人の面白投稿をパクる」「運が良ければ元のツイートより反応もらえるぞ」「あと他人の犬猫動画を勝手に…」あの、本当にそういう手法でやってるんですか…?「やるわけねえだろそんな下品なこと……」というやりとりが素敵。
マンガ家・大森卓として、高校生で鮮烈デビューを果たした小松悠は、その後スランプに陥ってしまう。新たな作品を描けず、二度とマンガを描くこともないと思いながら進学した大学で、小松は大森卓を殺すと宣言する女性・三秋縁と出会い……? 【電子版特典】巻末には電子書籍限定カラーイラストを収録!
伯爵家令嬢、なのだが妾腹の子で父には放置され、男性優位の 社会の中で生きていくために頑張って神官のトップである聖女にまで上り詰めた 女性。そんな彼女のもとに、父が縁談を持ち込んでくる。 利用されるつもりはないが、どうせなら話自体を潰したい、と彼女は 条件を決めて提示する。
8つの条件すべてに合致する男性を夫として希望する、 というかぐや姫もそこまでは、という作戦。その筆頭は、とろとろに甘やかしてくれること、 から始まるもので、条件を全てクリアする者はまずいない、と思っていたのだが、 なんと応募者が。それも国王陛下からだという。
冷遇されてきた過去があるが実績を積み上げて力も持つようになった 女性。そんな女性の前に最高の結婚相手が登場し、 甘やかしてもらうお話である。 国王陛下とはかつて魔物退治で同行しており旧知の仲。 淑女教育を受けていない彼女の率直な物言いが、 妃とはなんでも話せる間柄になりたいと思っていた王の希望にぴったりだった、と。
そういうわけでその後の展開は、 基本的にヒロインが愛されちやほやされ甘やかされる展開。 題名通り、甘やかしなお話なので、心地よく読み進められる。 展開として今後これ以上なにかあるのか?と思わなくもないが、 甘々な作品が読めるならそれはそれで。
神官のトップ「聖女」ステイシーは男性優位の社会を象徴するかのような父から自由になるため、聖女の地位に上り詰めた。だが、それは父にとって格好の政略結婚の材料となってしまう…。手のひらを返したような態度で、縁談を持ってくる父に辟易したステイシーは、自ら結婚相手の条件を決めることとした。結婚する気などさらさらない彼女は、自分の趣味全開の『夫に求む8つの条件』を提示する。『こんなの全部当てはまる人いるはずがないわ――』と半ばふざけて書いた―――はずなのに…!?ある日、「私はあなたが出した条件全てに合致している」とプロポーズにやってきた男性が。なんとそれはこの国の国王陛下!ふざけた結婚条件で、王様からの求婚を受けることになってしまったステイシーは!?悪ノリからのまさかのピュアラブコメディ第1巻!
WEBデザイナーとして働いていたが会社が倒産、職を探して4ヶ月で希望の会社に入社できたが、 なかなか決まらず落ち込む時期に救ってくれたのはラジオアプリでたまたま選んだ配信者の声と言葉だった。
友人の一緒に婚活をしようという話から市役所主催のまちコンパーティに参加、 ところがそこで司会をしていた公務員の人の声が件の配信者であることに彼女は気づく。
持ち前のポジティブさで彼女はがんがん押しまくり、お礼として 彼が配信で行きたいと言っていた場所を訪れる。しかし彼女が好意を口にすると 彼の反応が変わってしまう。一方、彼女は行きつけの店の店主から告白されるのだった。
可愛らしい大人の恋物語。都合のよい話ではあるが、人柄の良い人物たちの話であれば それも良い。公務員が配信ラジオ?と一瞬思ったが、別にやっちゃいけないことはないわな。 なぜ始めたかの理由も明確。とはいえタイトルロールが公務員である必要も必然性も 特にないんだよな。まちコンで出会うというきっかけを考えた場合と、堅物という設定を 混ぜ合わせたら確かにこの設定が正しいとは思うんだけれど。題名に「公務員」は要らなかった ような気がしつつ、いまどきのタイトルの付け方なら中身に繋がるこの題が良いのか。
一巻完結でお手頃です。
【描き下ろし番外編3Pを新たに収録 】顔も名前も知らない、声だけの存在はいつしか楓の中で大きくなり……。
会社の倒産で、転職活動を余儀なくされた射手園楓は苦戦していた。続く不採用のメールに心が折れそうなときにふと聴いたラジオの配信。“ラムチョップ”と名乗る彼の何気ない雑談と柔らかな声色に、勢いでツライ自分の状況と、気晴らしの仕方を問うコメントを送ってしまう。送信ボタンを押した直後に我に返り後悔する楓だが、それに対して返ってきた誠実な答えは、彼女を勇気づけるのに十分だった。会ってお礼を言いたい。でも彼に会えるはずもない。そう思っていたが、思わぬ場所で彼の声を耳にして――!?【本作品は「マイクロ版タイトル名公務員・ひつじさんはガードが堅い」第1〜7巻を収録した電子特装版です】【恋するソワレ】
魔王が討たれた世界の話。しかし魔物は存在しており、それにより怪我をする者も 多くいた。そうした者も相手に診療する医者のお話。で、最初のエピソードは、 膀胱にスライムが入ってしまった人の診察という、まぁ、つまり、そういう作品である。
艶笑噺系ファンタジーか。医者自身は至ってまじめでまともだが、 魔物を使ってあれやこれやしたり、異種恋愛でトラブル抱えたり、 といったお話。変態エピソードは患者のほうの問題で、 医者は特に変態というわけではない。
ファンタジー世界を舞台にしながら今まで誰もやってこなかった話といえば 確かにそうなので、面白いところに目をつけましたねという話ではある。 絵がしっかりしているので読み応えも抜群。
魔王が打ち滅ぼされ平和が訪れた世界で、診療所を営む魔法医のレクス。しかし運び込まれてくるのは、スライムで××したりマンイーターに××をつっこんだりする、世界より救いようのない患者たちばかりで!? 異世界ヘンタイ診療コメディ開幕!!
高校生の女の子は信号待ちの際、他の人が歩き始めたのを見て信号が変わったと 誤認してトラックに轢かれて死んでしまう。異世界に転生するのだが、 彼女自身には目に見える能力は特にないようで 勇者として召喚された人物に巻き込まれたらしかった。
おかげで彼女は異世界の文字も文化も理解できない。 一緒に勇者として転生した男子は気を遣ってくれたのだが、 彼が勇者として出征する際に彼女は王宮から追い出される羽目に。 この世について何も分からぬまま彼女は路頭に迷うことになる。
巻き込まれ不条理ものを異世界転生勇者ものでやるという視点は面白い。 情報もなく無知なヒロインが酷い目に遭う話、という序盤に、 このまま不幸な話が続くようなら読むのをどうしようかと思ったのだが、 出会う人物はそれほど凶悪な性格ではなくヒロインを理由なく貶めたい陥れたい と思う者はなく、それぞれの事情とそれぞれの理屈で、そのとき相応の対応をしており、 親身になってくれる人物も存在するので、読み進めようと思う程度に 話の展開は戻ってくる。
何も才能がないと思っていた彼女が、使い捨ての魔導具の 当たり外れを見抜く能力があることに気づたところから、 彼女の人生が好転していく。いや、良かった。辛い話を読み進めるつもりはなかったので。
一方でこの世界の食がまずいことを常日頃感じていた彼女だったが、 隣に住むよくみる男性の料理が転生後初めて美味しいと感じるものだったことから、 次の展開に繋がる様子。
原作があるので話はしっかりしているが一巻の時点ではまだふわふわな感じ。 漫画で一巻にまとめるには余計な要素があって、原作あるものをコミカライズする際の 取捨選択の難しさを感じる。 それでも読ませるのは、絵の魅力か。内容自体はおもしろそうなので続刊に期待。
息子も高校生になり夫との会話も少なく 一人だと何をしてよいかわからずスマホばかり見てしまう女性。 結婚を控えているが式はしない指輪もなし子供もつくらない と決めている女性。この両者を中心に描く話。
「まったく接点のなかった二人の人生が交差する」と紹介文にあるが、 一巻時点ではちょっと接点ができる程度で2つのバラバラな 話が走っているという感じ。それでもどちらの話も説得力があり 引き込まれる。
中年妻の話は、大学時代の友人にあったり、 父だけが残る実家に帰ったりの話を交えつつ、 夫婦仲の冷めた夫との離婚を考える。 そして離婚相談サロンに訪れカウンセリングを受け、 他の訪問者と仲良くなる。 結婚目前の女性の話は、体裁にこだわる彼氏と 定期的に言い争いになる。馴染みの美容師と 髪を切ってもらったあとに飲みにでかけ、 踊った勢いでキスをする。
普通はどちらかの話だけだろうところを並行して描くことで、 結婚を立体的に浮かび上がらせよう、ということなのだろうか。 性自認やノンバイナリーといった題材を SFやファンタジー以外で作品にうまくなじませて表現することは なかなか難しいと思うが、思想や概念に走らずに 落とし込むことができたら佳作傑作になるのだろうと思う。
Web版「GINZA」の2023年漫画コンテンツ・年間PV数1位を獲得。 読むと心が奮い立つ話題作!
誰かに決められた〈幸せ〉は、いらない。
結婚と、離婚。 人生の岐路に立たされた 二人を描いた 南Q太最新作。
【この物語は…】 冷え切った夫婦関係に悩む〈あや〉。 性自認に揺らぐ中、結婚を控える〈けいと〉。 まったく接点のなかった二人の人生が交差するとき… 「女」だとか「妻」だとか。「普通」だとか「常識」だとか。 自分を縛るものと闘い続ける「私たち」の物語。 行き詰まりを感じる日々。 自分の本心に向き合ったとき、人生が動き出す。
田舎の駅に朝からいた軍人さん。その後目指す家に向かい、 祝言の日取りが今日だと伺っていたのだが、という。 すると日付が新暦と旧暦とで取り違えていたと知るのだが、 来ちまったものは仕方ねえからやるか祝言、となり、 何も知らされないままだった娘は三時間後、結婚する羽目となる。
定形コマ基本で綴られる、急な結婚から始まる物語。 背が高く面もよく、エリートなのだが出世欲のない軍人が、 地方でのんびり暮らし馴染んでいく様を描く、和やかなお話。 定形コマのほうが大ゴマは映えるよなぁとしみじみ。
軍人は、出征して軍功もあったのだが 戦死したことになっていて家督は弟が継いでいた、 というなかなかの設定。 結婚を機に近くの駐屯地に転属したということで、 一巻終盤では帰営する展開で、 そうなるとこの後はどういう話になるのだろう? 軍人さんの話なので、どの世界のどの時代なのかわからないが、 改めて出征するといった展開もあるだろう、 と考えると話の着地が気になるところ。 地に足付いた、噛みしめる幸せ、という一巻の味わい そのままで続刊も読みたいのだが。
【電子特典5Pコミック付】ある日、農家の娘・花の自宅を訪ねてきた軍服姿の青年・誉。彼は今日が祝言の日だと聞いてやって来たという…。SNS・同人誌でも話題沸騰、そちらに未収録のお話も多数掲載&全ページカラー掲載!
トラックにひかれて死んだ少年は、異世界に転生することになったと女神に告げられる。 しかもその異世界転生の神が一緒についてくるのだという。 それはなぜか。実は女神が彼に一目惚れしたから。好きな人と一緒にいたい、 と職権乱用。しかし彼に行きたい世界を選ばせたところ、元の世界に戻りたいと 言い出すのだった。
転生もののシチュエーションを使ったコメディ。転生者に神が片思いして つきまとう、というストーキング話に仕立てている。神は転生者に能力を付加できるのだが、 それは転生させるときだけ限定で転生後には付加できない、ということで、 転生させるためにはもう一度死ぬしかない、 なので女神自ら少年を殺す、というブラックなコメディに。
転生の神なので人の命が軽く、生き返らせることが可能なので何かあればどんどん殺す。 そしてその死の体験に快感を覚え始める少年。少年が現世に未練があるのは、 好きな女の子がいるから。その子は少年が眼中になかったのだが、転生神含めて 友達付き合いを深めたところで三角関係のようになっていき、 さらには女神にも同僚がいてそれは女神のことが気になっていて、 というよくわからない恋愛スクエア状態に発展。
物語として展開していったら神としての成績が落ちてどうこう問題が影響していくオチのような 気もするが、ニッチなところを攻めたコメディとしてなかなか面白いのでは。 なお巻末にはプロトタイプ的作品も掲載。本編では女神は少年しか転生させない、 というか殺さないのだが、こちらはどんどん人を転生させてくスタイル。少年を 身近に置きたい設定は同様なのだが、本来少年は異世界に転生する運命なので、 正しく転生させようという力が働きあらゆる不幸が少年を襲うという展開。 こちらの設定も確かにありだな、と思いかけたが、まぁオチが最低だったので最終的にはナシな気がします。
異世界転生神・ルリは、平凡な少年・夜杉京士郎に一目惚れ。さっそく職権を乱用して一緒に現世へ転生し、彼の気を引くためチートを与えようとする。だが、転生させるときのみ転生神のチカラが使えることに気づいてしまい…?転生の女神に愛された男の運命はいかに!?
冒険者パーティを抜けると宣言した術師の話。 森を探索するという話だったのに当日になって急に山の探索に変更され、しかも 悪びれる様子もないのに愛想が尽きたと。 ギルドを通して面倒をみるよう依頼された教導が自身の仕事、 そもそも仲間でもなく、パーティとして育った今となっては 依頼は十二分に果たしたはずだ、というのだった。
サバサバとあるが寧ろ主人公は 面倒な仕事によくそこまで付き合ったな、と思うお話。 その後の話は確かにサバサバというか殺伐。 依頼された仕事以上はやらない、 追加の仕事は金次第、 それも彼の術には相応のコストがかかるから、 という理由はあるのだが。
メンバーと顔を合わせたくないので別の町に移り、 そこで依頼を受けるのだが、 舐めるような対応には容赦しない、 時に我を忘れるほどに術を展開することも。
安い依頼も認可冒険者の推薦状と引き換えに受けるのだが、 その認可が降りることよりも人間関係のゴタゴタに巻き込まれる ことを嫌い他の町へと出立するような人物。 面倒事が嫌いなのに面倒事に巻き込まれるという 不幸なプロフェッショナルの話に見える。 そういう悲劇であり喜劇であると。 一巻の終わり方を見ても続刊も楽しそうで個人的に期待大。
無愛想にして無遠慮。しかしこの術師ーー最強。 魔族との幾度の戦いにより荒廃した世界で、 イマドキ冒険者ヨハンのサバサバ(殺伐殺伐)すぎる冒険譚が始まるーー! 呪術によって紡がれる本格ダークファンタジー開幕!
1990年代のドイツが舞台、ということらしい。 フランスからやってきた男性は雨の中、宿へ。あいにく満室だと言われたが物置部屋だという 一室を用意されることになる。偽名で泊まったのだが、しかしホテルの亭主は彼の素性を知っていた。
著名な作家で、しかし現在は失踪中として賞金つきで探されているのがその男性。 彼は幻影が見え幻聴が聴こえており、常に自身の分身と会話している。 そんな彼と出会ったのは、街中の警察に追い回されている少女。 彼女は孤児院にいるのだが、たびたび脱走し、その都度捜索されているという。
飲み込みづらい形で、つまりストーリーテリングは最重視されない形で 描写されていく物語。主人公である男性と少女は、互いのことをよく知らない。 少女は、父が目の前で自殺し、その莫大な遺産を継いだことから色々面倒なことに 巻き込まれているという設定、しかもその実母は警察の警部であるという、 よくわからんことになっている。
正直、面白いのかこれ?という感じはあり、男性は作家の割に察しが悪いというか、 町から動かず、一巻巻末もちょっと雑では、という引きで終わるので、 続刊は読むけれどオススメは様子見。
嘘と真実、 夢とうつつ。 二つが交わるとき、運命が動き出す。
過去のトラウマに今も悩まされ「想像上の友達」のピートと旅するテオは、心に壮絶な傷を抱えながらも無邪気に笑う少女・リノアと出会う。 一見正反対に見える2人の共通点は、どこまで逃げても自身にまとわりつく記憶とその苦しみ。 そして偶然の2人の出会いによって、終止符が打たれたはずの過去の事件は再び動き出し……。 1990年代ドイツの田舎町を舞台に、現実と幻想、嘘と真実が絡み合う、ドラマチックヒューマンストーリー。
15歳の少女は進学希望の高校に通う先輩と恋に落ちる。 そして逢瀬を重ねるが、彼は殺されてしまう。 それから3年後。志望校に入った少女は、美術教師と良い関係に。 その相手もまた殺されてしまうのだった。
中学時代の事件については刑事が捜査を続けており、 3年経ってようやく少女のもとまでやってくる。しかし以降の進展はない。 高校時代の話は、両親にスマホを見られ取り上げられ、 相手の教師の住所も知られている状態。 少女は発熱で自宅におり、彼女自身が犯人という話には なりそうにない様子。なので、そういう自作自演的なサスペンスでは、 おそらくない、はず。
2024年の時点では、彼女はタウン誌の編集部で働いている。 カメラマンが恋人だが、そのことは公言しない。 過去の経験が、不幸が訪れる気がしてしまい、誰にも言えなくなっている。 なので秘密にして恋を育てることを心がけているのだった。
一方、別軸の話もあり、そもそもの冒頭は1998年。 男女がベッド・インしているシーンで、そこを予定より 早く帰ってきた男子の母親が目撃する。 その男子が、少女の父親。母親はベッドにいた相手ではなく、 二人の会話で出てきた男子の彼女。 そしてベッドにいた相手は、その後女優として 出てくる人物である様子。その二人は今でも接触があり、 そこを少女が目撃することで話が交錯する展開。
正直、どういう話に持っていくのかわからないのだが、 ヒロイン自身の話は複雑でもなくツイストしてもいないので、 視点がぶれることなく読みやすい。
私が恋した人は、死んでしまう―。/あの時、私は恋をしていた。出会ってすぐ、ふたりきりで会ったのは2回だけ。まだ誰にも言っていない、まだまだ始まったばかりの恋だった。でも、彼は何者かに殺されてしまった。「私が彼に恋をしたから」だなんて思わない、けど―。/“恋をすること”が、誰かを不幸にするなんて、思わなかった―。長浜幸子が描くサスペンス第1巻。
19世紀末のロンドン。堅物といわれる警官は一族の要望もあってある伯爵夫人の関わる毒物混入事件を追おうとしていた。しかし警部は及び腰。そこで毒や薬に詳しいという紅茶専門店を紹介される。警官に渡されたカードを通して店主と会うが、その許可証は大罪人であるという店主を店の外に 出すために必要なものでもあった。
紅茶にまつわる事件を解決するバディもの探偵話。店主は自身の家族を奪われる過去があり、 その真相と犯人を追っている。大罪人となったのもその捜査をするために逆手をとったが故。 そして堅物である警官はその性格ゆえに彼のことを深く理解し、通行証役を引き受ける。 この警官の性格が一本気で筋が通っており良いキャラクター。
単話売り12巻までを収録した6話分200ページ超の内容の合本版。 店主の背景も一巻のうちで丁寧に説明され、バディとなった警官も巻き込まれることになる 展開は読み応えあり引き込まれる。
「よろしくね、僕の〈許可証(カード)〉」19世紀末――絶対的な階級社会と化した大英帝国・ロンドン。警察官オスカー・ガルシアは困っていた。毒物混入事件の捜査に乗り出すも貴族絡みと分かると上層部は及び腰。手がかりを求めて向かった先は…紅茶専門店『camellia&rose』。オスカーの愚直さを気に入った義眼の店主セオ・アトリーは、捜査への協力を申し出るが…「僕、大罪人なんだよね――あの店は僕の牢獄」店に囚われるセオの外出許可証・通称〈カード〉に任命されたオスカー。やがて彼はセオの瞳の奥に揺らめく復讐の炎を知ることになり――?義眼の紳士×堅物警官が、貴族社会の血塗られた裏側を往く――数奇なる運命の物語。※こちらには【第1話〜第6話】が収録されています。
王都に近い田舎町、そこを治める貴族の館を舞台にした話。 現在の主人は偏屈な変わり者。しかし執事が使用人を取りまとめ 恙無く日常を送っていた。しかしその執事が休暇をとると、 大混乱。そして執事は戻るはずの日に帰ってこなかった。
執事が失踪したことで、主人はそのかわりとなる人物を呼び寄せ、新しい執事に据える。 その人物の来訪時に居合わせたメイドは、前の執事を信じており、 新しい執事には敵対感情を持つ。一方で、家の中では銀のポットの失せものが。 それを捜索したところ、執事の執務室から出てくるのだった。
メイドと新しい執事の仲は、ポットの件をきっかけに接近。 そして新しい執事は使用人がみな目を逸らしている事の真相について指摘する。 メイドはミステリ小説好きで、そして話もミステリ風味の展開。
この土地は先代そして先代と仲の良かった前の執事のものだと思っている主人。 その主人に恩があるという新しい執事。 その間に、ミステリ好きなメイドが入っていく話になるのだろうか。 そしてふらっと使用人の間に入り込んでいる浮浪者がトリックスター。 全部繋がっていくのか、いやそれはそれでちょっと無理があるか……。
繊細な心情に揺さぶられる…レトロなお屋敷ミステリー!
田舎町に佇む貴族の館”レイヴンエンド・ハウス”には、 偏屈な主と、彼に忠実な使用人たちが暮らしていた。
静かな日々の中突然、執事ミスター・コンドルが姿を消した。 使用人たちから信頼され頼られてきた彼は一体どこへ――… 変わり者の主・レイヴンエンド卿は部屋にこもりっきりで当てにならない。
そこへある日、コンドルの代わりに若い執事が現れて…? 彼らの静かな日常が崩れ始める――…。
繊細な心情に揺さぶられる…レトロなお屋敷ミステリー!
結婚相談所に登録し婚活に励む40歳の男性は、 しかし1年たってもなかなか進展せずへこんでいた。 そこに、友達紹介してやってよ、と言われたのは同じ会社の女性。 28歳の女性でいいなら、ただ凄いコミュ症なんですけど、と言われた見合い相手は、 深い編笠の虚無僧姿で現れたのだった。
そんな出落ちな話なのだが、男性は普通にデートする。 ぶっちゃけ面白いし、と思うくらいで、しかも話が意外に弾む。 オーバーランした相手の話も、価値観がわかって良いという懐の深さ。 なんでこれで婚活が進まないんだ?と思うがその辺は後々出てくる 家庭の事情で売れないし貸せなくて自分が住むほかない 所有地があるということが影響しているのか。
一方の虚無僧のほうは、実は紹介したという体の会社の同僚その人、 という設定。会社では無表情で無愛想なので男性には気づかれていない様子。 彼の過去の言動が自信のなかった彼女を勇気づけたということもあったようで、 彼のことを密かに好いていたのだった。
しかし友達騙って虚無僧姿で会うって話を、その要素以外普通なラブコメ としてストーリーとして展開していくってのはなかなかクレイジー。 落とし所どこよ、と思わないでもないが、この思い切りが受けた理由なのだろう。
待ち合わせにやってきたのは、虚無僧(コミュ症)系女子だったーー!?
衝撃の冒頭がX(Twitter)で波紋を呼んだ……? しがない中年サラリーマン×コミュ症女子の異色婚活コメディ!
40歳独身サラリーマンの伊丹は、結婚相手を見つけるべく結婚相談所に登録するも、婚活は絶賛難航中。 そんな彼を見かねてか、同じ部署の部下・園田さんが友達を紹介してくれるというが……。
漫画を描いて生計を立てたい女性。好きなのはBLなのだが、彼女は中国人。 中国ではBLは不良文化とみなされ表向きは禁止されていた。 好きなものは描けない。日本語の勉強を頑張りセリフも日本語で書き pixivにあげていたが国の規制でブロックされVPNを使っても アップできないことが増えアクセスすることもほぼなかった。 一年ぶりで開いたところ、DMに気づく。それは日本の編集者からの原稿依頼だった。
中国では外国の月のほうが丸いという言葉があり、それは自分の国より 他国が優れていると思う人を揶揄するものだという。彼女にとっては、 日本から見た月がまるく見えるのだと。
思想統制、表現規制のある国で、自分の好きな表現をしたいアーティストが 差し伸べられた手に、手を伸ばすかどうかというお話。 一方で適齢期な娘に母親は結婚相手を探すのに躍起で、 そこで連れてこられたのは幼馴染。その幼馴染とは過去に描いていた漫画 をめぐり一悶着あったのだが、それはそれとして、相手のほうは親に 結婚をとやかく言われずに済むよう結婚を前提に付き合ってみないか、 と提案してくる。
そして彼に背中を押される形で、日本に飛んで編集者に会うことに。 まぁ家族が送り出したのはその彼も実は密かに同行するから、だったりするのだが。 彼女も彼女でナイーブになり、さらに日本人と会うことを気にしすぎて 余計なポイントに引っかかって嘘をつくという価値観や考え方が違う 異文化交流話が爆裂。
作家と編集の話という側面もあり、 しかしこれ講談社の本で良かったよな。いま小学館だと 割りと洒落にならない内容だからな……。
母国・中国では規制のため、自由にBL漫画が描けず悶々としていた、漫画家の卵・夢言。日本の雑誌で好きなBLを思う存分描きたい! そんな思いを強くした矢先、夢言にお見合い話が舞い込んだ。相手は、同級生だった致遠。彼には中学生の頃、自分のBL漫画を否定されたことがあり、いま一番会いたくない相手だった…。中国と日本、文化も慣習も違う2つの国を行き来しながら、自分の夢を叶えようと奮闘する中国人女性の葛藤と冒険を描く第1巻! 2023年春に「モーニング」に読み切り版が掲載され話題となり、「モーニング・ツー」で連載化となった作品です。
ファンタジー世界なのだが国同士が陣地を取り合い一進一退で毎日人が死んでいく戦場のお話。 語り部は孤児院育ちの女の子。軍属になれば慰労弔問金が孤児院に出る ということもあり、幼馴染も仕官するので回復魔法の適性を見出された彼女も衛生兵として軍属に。 しかしそこでクレイジーな小隊長の部隊に配属されてしまう。
前世は日本でプロゲーマーをしていた男性が異世界で女の子に生まれ変わったという設定。 TS…転生?タイムシフト?トランスセクシュアル?ゲーム世界では無敵の存在だったが、 ここは現実の戦場。仕官した幼馴染は初日に敵の奇襲で焼け死んだ。 初陣では国境を58メートル進めるために800人の戦友が殉死。 そんなハードな状況での従軍を描くお話になっている。
そもそもは衛生兵なので前線に行くことはないのだが、戦争で勝つためには自身が 敵陣深く切り込むしかないと考えている上官が自身の回復のために衛生兵の同行を 求めたという狂気な設定の巻き添えに。魔法を使えるファンタジー世界という背景はあるが、 戦争は第一次世界大戦かそれ以前のヨーロッパ戦線という感じで生々しく痛々しい。
転生ものの必要があるのか?と思うが、転生ものでないとこれ単に痛々しいだけなので、 そういう仕掛で軽減するのは良い手なのかも。
FPSの元プロゲーマーが無力な少女として銃弾飛び交う異世界へ転生!?
FPSの元プロゲーマー♂が転生した世界は魔法が存在するファンタジー世界だった――が、そこには夢広がる冒険はなく、銃弾が飛び交う泥沼の戦場が待っていた! しかも、トウリという名の「少女」として……!?
トウリは回復魔法への適性を見出され、生まれ育った孤児院への資金援助のため軍に志願し二等衛生兵となるが、魔法の訓練も受けないまま最も過酷な戦闘が繰り広げられている「西部戦線」の突撃部隊へと配属されてしまう……。 彼女に与えられた任務は戦線のエースであるガーバックの専属衛生兵となり、絶対に彼を死なせないこと。けれどガーバックは部下を見殺しにしてでも戦果を上げる最低の指揮官でもあった!?
理不尽な命令と暴力が飛び交う戦場で、トウリはただ生き残るために奮闘するが――。
昔、母親が土地を騙し取られたという過去を持つ双子。 ふと片方が思いつきでその母を騙した詐欺師、地面師に会いに行く。 警察に逮捕される直前だった男性は、地面師を面白い仕事だと 言った彼女に、刑務所に入ったら自殺するつもりだと告げ、 物件ファイルを手渡した。
そのファイルをもとに、地面師をやろうとする双子のお話。 道路に接しない土地を隣家のマダム に売り渡す。なんとなくの思いつきで始めて、 多少のシミュレーションはしつつも勢いで契約にこぎつける。
双子が地面師になった理由、 その根底には母が土地を騙し取られたってわかったときに すごくスッキリした、「その気持ちよさが忘れられなくて詐欺師になりたいと思った」 というものがあった。
コンゲーム話というには稚拙で微妙。 覚悟や準備もない。 だがするするっと話が進み、 肝心要のところでもするっとすり抜けるように通り過ぎていく。 印刷屋と手配師が必要だ、ということで 件の地面師の事務所に忍び込み、 そこにやってきた仲間の話から印刷師を探りあて、 仕事を依頼することになる場面の流れは最高。 それまでにもなんだこれな雰囲気はあったが、 ここで確実になんだこれな話に。その後の展開もおかしい。
まぁどうおかしいのかは読んでもらってのお楽しみということで。 双子の一方がかかりつけの歯医者の、歯だけ命なフラットキャラクターも異常。 基本的に同じ顔というか雰囲気である双子が主人公というのも 絵の構成として面白い。
二人は双子。「なんとなく面白そう」……土地の所有者に成りすまし、金を騙し取る詐欺師「地面師」に突如心惹かれていく姉妹。遺伝子は全く同じはずだが性格は少し異なる「英」と「蛍」の二人が絡むと事態がなぜか動き出す。クライムサスペンスの新機軸、誕生。
トラック事故による死亡事故が多発するなか、自分たちは完璧な防衛体制、 などといっていた女性二人組は空から降ってきた飛行機のエンジンに潰されてしまう。 そして転生したのがダンジョンのフロアスタッフ。 冒険者の後始末を掃除するのがお仕事。
彼女たちがいるのは入る度に形を変えるダンジョンで、フロアに冒険者もモンスターもいなくなったときに 変形しようとしていた。そのとき従業員である自分たちは勘定に入らないらしく、巻き込まれて死んでしまう。とはいえ彼女たちは転生者なので死んでも従業員室から復活できるのだが、そこでふとこれは使えるのではと閃くのだった。
そうしてしでかすのが題名どおり、冒険者殺しという、コミカルだが物騒な話。基本的には従業員が 勝手にやらかすバイトテロのような内容。まぁ上司はほぼ出てこないししでかしを把握している者も いないので露見しないわけだが。色々やってみるのだが結局自分自身に返ってくることも多々。 とはいえ死んでもセーブポイントに戻るだけなので話は永遠に続く。いやでもメデューサの回はどうやって もとに戻ったのかしらん。
なお題名にこだわらず冒険者を殺す話だけではないのでバリエーションがあり、 さらに前に出したネタを踏まえての展開もあるので話が広がっていき面白い。 160ページちょっとで15話+おまけ収録なので1話10ページ足らず、 その尺も間延びしなくてちょうどよいのかも。
唯一無二の痛快異世界バイトテロファンタジー、開幕!!
ダンジョン。 それはロマンあふれる晴れ舞台。 ただし、冒険者にとっての。
清掃や備品補充にクレーム対応。 アイネとナハトは、今日もダンジョンのフロアスタッフとして裏方稼業に精を出す。
「――クソ冒険者が」
寄って集って他人の迷惑を顧みない冒険者たちに、いまダンジョン側が牙をむく! 唯一無二の痛快異世界バイトテロファンタジー、開幕!!
豚汁を大量につくり休日を謳歌しようと思っていた女性は、 緊急の仕事で急遽一ヶ月出張する羽目に。 どうする豚汁と思ったところでお隣のヤクザ屋さんが米と豚汁食いたいと わめいているところに遭遇し流れで提供することに。 そして久々に帰宅するとその豚汁に胃袋を鷲掴みされた 彼らから飯を要求されるのだった。
怖い人達のはずなのになんだか可愛く見えてきた、という女性だったが。 明らかに立場が上なヤクザ屋さんが登場したことで、 恐れて地方へ逃亡。しかしその居場所も発見され、 連れ戻されて、というお話。しかもそのヤクザ屋さんと男女の関係になってしまう 展開は、うーん、なかなかオススメできない……。
高知まで逃げたのに「私メリーさん」とメールが飛び込んで「今羽田空港にいるの」 「今飛行機の中にいるの」「今、高知空港にいるの」「今あなたのアパートを包囲しているの」 と接近してくるところは面白かったのでそこまでお試しで読んでつい購入してしまったが。
この溺愛[ロマンス]は、最高に危険。 愛されたら、逃げられない。「七緒 俺のもんになれ」20連勤をこなす限界社畜OLの新藤七緒はたまの休日に料理をしては幸せをかみしめる平穏な生活を送っていた。しかし極悪非道なヤクザの組長 風間蓮に見初められたことで、七緒の人生は一変する! 部下や女にも情け容赦なく冷酷な蓮。けれど七緒への接し方だけは甘々なようで……? スリルと笑いと銃が入り乱れる極道的非日常。こんな愛情、重すぎる! 執着狂愛ラブロマンス、開幕!!