リチャード・ウー、コウノコウジ/警部補ダイマジン


警部補ダイマジン (1) (ニチブンコミックス)

■酸いも甘いも噛み分けた警察ピカレスクもの。 面白いことは面白いが、この話に出口はあるのだろうか…。

連れ去られた少女が無事に見つかった、 という報道で盛り上がる若い母親たち。 三十年以上捕まっていない幼女連続誘拐殺人犯の 仕業ではないかとネットでは噂になっているという。 そして助かった少女が証言した人相の男が、 母親たちの目の前を通っていった。


その男が有名なセキュリティ会社の社長を ホテルで殺害する。しかも自殺に偽装。 そして本人は、後に呼び出され知らぬ顔で現場に向かう。 彼は捜査一課のエースなのだった。


しかし何食わぬ顔して自殺として捜査を進める彼に、 茶々を入れる人物が。彼は特命捜査対策班の管理官。 未解決専門事件の対策室であるという。その生みの親が、 セキュリティ会社の社長、元警視監なのだと。


そんな前振りのもと、ふたりは元警視監の別荘へと向かう。 元警視監の社長こそが幼女連続誘拐殺人犯であるということ を捜査一課の刑事は匂わせるが、そのことと、 自殺に見せかけて殺したのが刑事であることを、管理官は知っていた。


警察組織の中での目くらましである特命捜査対策班を 逆用して、適切に排除しようとする管理官は、 刑事のやったことを知った上で、自分の元でコマとして働くことを要請する。毒をもって毒を制すたぐいのお話。 それが表向きは飄々と描かれているところが面白い。 とはいえ管理官は解き明かしたい自身の過去があり、 そこに囚われている様子ではあるが。


彼らを狙う者もあり、そことのやりとりもコンゲームのような 丁々発止。騙し合いの様相なのは面白い。相手を根こそぎ撃滅 しはしないが、落とし前はつける。…これ、一昔前だと裏社会の話 かな…。それと。この手の話は、最終出口が見えない。巨悪と戦う話?でもそれ身内になるわけだよね?適当に手打ちしてくの? 管理官の物語は方向性が見えなくはないが、タイトルロールの 主人公に関しては特に何も見えてこない。いずれ何かエピソードが 突っ込まれるんですかね…。


【データ】
作=リチャード・ウー、画=コウノコウジ
警部補ダイマジン
【発行元/発売元】 日本文芸社 (2019/6/28) ※電子版で購入
■評価→ C(標準) ■続刊購入する?→★★★
■購入:
amazon→ 警部補ダイマジン (1) (ニチブンコミックス)

警視庁にはダイマジンが鎮座まします! 誰もが一瞥する身の丈を持ち、 素早く現場に駆けつけ、 豪腕を振りかざす熱血漢! 捜査一課のエース・台場陣!! しかしこの男には、暗い暗い秘密があった!? そんな彼に近づく若き管理官・平安才門!! この上なく性格が悪く、 他人を信じず、己が知恵で人を欺く! 正反対の二人が絡み合い、対立し、巨悪に挑む! 「クロコーチ」のコンビが放つ前代未聞のピカレスクサスペンス出現!!


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コウノコウジ/肉の唄
リチャード・ウー、芳崎せいむ /アブラカタブラ〜猟奇犯罪特捜室〜
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内田康平/東京傭兵株式会社


東京傭兵株式会社(1) (講談社コミックス)

■傭兵ものも多いな、と思ったが、超能力ものとまでは思わなかった…少年向けに安易に混ぜすぎ、かな…。

就職活動で連敗続きの主人公、しかし彼には特技があった。 その特技に注目されて、晴れて民間軍事会社に就職が決まる。 その特技とは、回復能力が人より高いこと、つまり、不死身。


面接でいきなり銃撃され、そこで「生きていたら採用」とされる。 そういう傭兵もの。不死身な人間は初めて出会う、というコメントを されるが、配属された部署は彼のような「異能力者」ばかり。 第三次大戦後の世界で、異能力者はさほど珍しいものではないのだった。


民間軍事会社もの、と思いきや、そこに超能力も加わる変化球。 当然のことながら舞台は未来。ただしそれは、会社と能力の 設定を活かすためのもので、それ以外は現代とほぼ変わらないため SF的な仕掛けはなさそう。要素を混ぜすぎたせいで、 薄味になった印象あり。まぁ少年誌で少年向けの内容とするなら、 この程度の味加減がいいのかもしれないが。


いくらでもライフポイントがある主人公、というのは 反則。でも痛みは感じるのだ、という話になるが、 そこも主人公の正義感と根性であっさり乗り切ってしまうので、 チート技にしか見えなくなってしまった。ライフがいくつもあるので 度胸でがんがん乗り切るぜ!という話になってしまったのは、正直微妙。明るく前向きな主人公が好みな身としても、この設定でこの主人公の性格では、意味がないのではと思わざるを得ない。


一番厄介なのは、主人公が就職する会社についてあまり理解もしないままに入ったことだろうか。まぁそういう人も現実に多いか。入ったあとも知ろうとしていないのは問題だが、これも実際問題…。なんだろう、引っかかるのは、と思ったら、気がついた。面接合格後すぐに彼が 働き始めていること、だな、変なのは。出版社って面接受かったらすぐに働き始めるの?違うんだったら、ネームに赤入れないと…。未来は違うんだよ、って話なんでしょうか。どうでもいいところだけど、 引っかかりました。まぁ映像作品と違うのであんまり気にはしませんが…。映像作品でこれやられると、ん?と頭でひっかかって気にしているうちにどんどん先に進んでいくので絶対ダメなんですけど、書籍は読み手のペースで読めて立ち止まったり戻れたりしますので。


【データ】
内田康平
東京傭兵株式会社
【発行元/発売元】 講談社 (2019/6/7) ※電子版で購入
■評価→ C(標準) ■続刊購入する?→★★
■購入:
amazon→ 東京傭兵株式会社(1) (講談社コミックス)
『俺たち傭兵は使い捨ての道具と一緒だ。異能力犯罪者を捕まえればそれでいい。』 採用理由は「不死身」。 実戦経験ゼロの神代陽平の就職先は「東京傭兵株式会社」。 異能力犯罪者を確保するための民間軍事会社だった……!!
就活戦績36戦36敗! 就職活動大苦戦中の神代陽平が、37社目で受かった会社は「東京傭兵株式会社」という異能力犯罪者を確保するための民間軍事会社だった……!! 唯一の取り柄「不死身」の異能力を評価され採用された神代は、ルーキーとして異能力犯罪者たちを取り締まる現場に投入されるが、そこには文字通りの地獄が待っていた──。


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赤塚大将/むとうとさとう


むとうとさとう 1 (ジャンプコミックスDIGITAL)

■格好いい女子と女子力高い男子による恋愛以前コメディ。

学級委員をやっている佐藤さんは 運動神経が良く力も強く、かわいい見た目と裏腹に男勝り。 一方クラスメイトの武藤くんは可愛いお弁当を 自作で持ってくるほど女子力が高いのだが、 カッコいい男になるにはどうしたらよいかを悩み、 佐藤さんに指導を乞うのだった。


元から武藤くんを憎からず思っていた様子の佐藤さんは、 この申し出を良い機会と彼に接近。 とはいえ彼は鈍すぎてあまり前進する感じもないが、 鈍いがゆえの行動は二人をまた近づけるのであった、という 4コマではよくある定番な恋愛以前学園ラブコメもの。 それをストーリー漫画の尺でやっているのは、 ふわっとした世界が広がる効果があり正解なのでは。


【データ】
赤塚大将
むとうとさとう
【発行元/発売元】 集英社 (2019/6/4) ※電子版で購入
■評価→ C(標準) ■続刊購入する?→★★★
■購入:
amazon→ むとうとさとう 1 (ジャンプコミックスDIGITAL)
女子力の高さが悩みの武藤くん。男勝りの性格に悩む佐藤さん。そんな悩みを持つ二人だが、武藤くんはカッコいい男になりたいと佐藤さんに教えを乞う。しかし佐藤さんは武藤くんの真っ直ぐな性格にドキドキしっぱなしで…!! 果たして武藤くんは佐藤さんから「男らしさ」を認められる日は来るのか――!? 女子力高め男子と男勝り女子の青春コメディ第1巻!!



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舟本絵理歌/殺し屋Sのゆらぎ


殺し屋Sのゆらぎ(1) (ゲッサン少年サンデーコミックス)

■殺し屋がターゲットに心奪われ転向する。 ピュアな殺し屋の悲劇であり喜劇。

主人公は殺し屋。赤ん坊の頃捨てられて、組織に拾われ、 殺し屋として生きてきた。クールな殺し屋が、暴力団組長の 17歳の一人娘を始末するよう依頼を受ける。しかし彼は、 彼女の笑顔に心を撃ち抜かれてしまった。


そこで彼女のことを知ろうとしつつ、彼女にも認知される。 しかし彼は殺し屋。組織から催促がやってくる。だが 彼は組織の命令に従うことはできず、彼女を 誘拐した者たちを片付ける。そして、彼女から専属ボディーガードとして指名をうけるのだった、


殺し屋話かと思いきや、殺せない話となり、ターゲットを 遠目で見守る話かと思いきや、間近でボディガードになる 話だった。この一話目の展開は確かに素晴らしい。


その後はラブコメ的展開。立場の差があるけど この辺はどうするのかな、と思っているとさすがに 許嫁ネタを持ってきた。 一巻は面白く読んだが、浮世離れした話をこのあと 転がしようがあるのだろうか。


【データ】
舟本絵理歌
殺し屋Sのゆらぎ
【発行元/発売元】 小学館 (2019/6/12) ※電子版で購入
■評価→ C(標準) ■続刊購入する?→★★★
■購入:
amazon→ 殺し屋Sのゆらぎ(1) (ゲッサン少年サンデーコミックス)
狙った獲物は確実に始末する… 非情な殺し屋・正太郎。コードネームは「S」。 しかしある日、ターゲットとなったのは、指定暴力団「悪井代組」組長の一人娘・古川綺利17歳。 彼女に銃口を向けた瞬間、今までに感じたことのない胸の高まりを感じた正太郎は…!! 天才殺し屋、お嬢のボディーガードに転職!? ハートフル殺し屋コメディー、開幕!!



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夏海ちょりすけ/瞳ちゃんは人見知り


瞳ちゃんは人見知り【電子特別版】 1 (チャンピオンREDコミックス)

■背が高く吊目三白眼だが根は怖くない女の子の話。

通学電車で出会った子は転校初日、学校への道がわからない ということで声をかけてきた。 背も高く目力が強いので怖い子かなと思っていたが、 楽しそうな彼女は、年下の後輩。家もお向かいで、 一緒に通学するようになるのだった。


背が高くてグラマラス、吊目で目力強めだがそれは 緊張しているせい、ほっとしたときの表情は可愛いが 本人に自覚なく。そんな少女の生態を愛でる系の漫画。


よくあるタイプだが、出会わせる相手を、上級生の 男子としたところはアイディア。 二人を電車の中で会わせて、登下校を一緒にさせつつ、 クラスは当然別々なので適度に距離感あり。 学校での様子は、上級生の妹を同級生としたことで解決。 少しづつ登場人物を増やし絡めていく展開は上手。


かわいい青春コメディとして、ゆるゆると進めていただければ 何より。


【データ】
夏海ちょりすけ
瞳ちゃんは人見知り
【発行元/発売元】 秋田書店 (2019/5/20) ※電子版で購入
■評価→ C(標準) ■続刊購入する?→★★★
■購入:
amazon→ 瞳ちゃんは人見知り【電子特別版】 1 (チャンピオンREDコミックス)
高校2年生の宇佐見君がある日出会ったのは、“目つきが悪くて、いろいろとおっきな後輩の女の子”の瞳ちゃん。迫力のある見た目とは裏腹に、照れ屋で純粋で笑顔のかわいい彼女のことがだんだんと気になってきて…。 ※こちらは巻末に電子版のみの特典ペーパーがついている特別版となります。



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若林稔弥/幸せカナコの殺し屋生活


幸せカナコの殺し屋生活 1 (星海社COMICS)

■ブラックな会社に疲れた彼女の 転職先は、ホワイトな殺し屋会社だった。

広告代理店がブラック過ぎて 転職先を見つけたところ、そこは 殺し屋だった、という内容の定型4コマもの。


可愛らしいタッチの絵柄で、フルカラー。 会社を見つけて応募できたということは、 素質がある、ということらしく、 はじめての射撃もはじめての人殺しも 結局なんなくこなしてしまう。 そんな、サイコパスなヒロインの、 明るい殺し屋コメディである。…倫理的に問題ありありだが…。


そんな会社が、給料は高く、勤務時間も決まっており、 福利厚生も完備、社員をきっちりと育ててもくれる、 という超ホワイト環境なところが本作の肝。 まぁ悪の組織って案外ホワイトじゃない? 何度失敗してもリストラされないし、みたいな ネタはよくあるが、実際、そうかもしれない。 やりがい搾取、という話があるように、 ブラックな会社は待遇ではなく社会的意義などを 主張しがち。まぁオーナーにはやりがいのある 仕事なんだろうが、従業員にとっては同じリターンが あるわけでもないしねぇ…そこを従業員も一緒に 信じるのが、宗教系イデオロギー系の組織。 別にやりがいのないような会社のほうが、待遇が 良くなければ所属する意味もないので、 案外ブラックではなかったりする。


罪悪感にさいなまれる、という予想も、 食べて飲んだらすっきり、寧ろ仕事完遂して気持ちいい。 殺しも仕事として割り切るというより、 死んで良い、殺したい、という相手がターゲットなので、 正義感も相まって満足感が高い、というサイコパス具合。 むかついた相手も仕事でなければ殺してはいけない、 ということに苛ついた挙げ句、そうだ、仕事として受注すればいいんだ、と周囲に営業して殺しの依頼をとってくる、という素晴らしい展開。 死んだほうがマシよね、って人をうまくチョイスして ターゲットにしているので、その辺りが現実と乖離していないというか 笑いに昇華しきれていないというか、もうちょっとナンセンスな ほうが良いのではと思わなくもないが。


【データ】
若林稔弥
幸せカナコの殺し屋生活
【発行元/発売元】 講談社 (2019/5/12) ※電子版で購入
■評価→ C(標準) ■続刊購入する?→★★★
■購入:
amazon→ 幸せカナコの殺し屋生活 1 (星海社COMICS)
『徒然チルドレン』の若林稔弥の新作は、新人殺し屋OL!? 働くあなたをもっと元気にしちゃう4コマ、始まります!!



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館ノ川駿/魔王さまの抜き打ちダンジョン視察


魔王さまの抜き打ちダンジョン視察(1) (週刊少年マガジンコミックス)

■魔王もの×ダンジョンものコメディ。読みやすく面白い。

魔物系ファンタジー、それも魔王の側を描くもの。 世代交代で新たな魔王が誕生、そこにお世話係として応募した 下級魔族との交流を描くコメディ。


基本はこの上司と部下ふたりで展開していく。 そして上司にあたる魔王が、さすが魔王という心の広さ、 大物さ、ポジティブさかげんで素晴らしい。 そうした人物ゆえ、実は話の転がしようが難しい。 魔王当人が何かをする、という方向では動きづらい。


そこで、エピソードを転がすにあたり、ダンジョン視察、 という要素を取り込んだのがポイント。ダンジョンものも 良くあるが、本作の場合は視察なのであちこちの 多種多様なダンジョンを用意する必要がある。それを きちんと満たし、色々なダンジョンを見せていくことで作品の 世界観を示していくのは見事。


炎龍との関係などダンジョン視察を通じて提示する世界が広がっていく のは上手な設計だと思う。


【データ】
館ノ川駿
魔王さまの抜き打ちダンジョン視察
【発行元/発売元】 講談社 (2019/5/9) ※電子版で購入
■評価→ C(標準) ■続刊購入する?→★★★
■購入:
amazon→ 魔王さまの抜き打ちダンジョン視察(1) (週刊少年マガジンコミックス)
落とし穴に…落ちる! 飛んでくる矢も華麗に…顔面的中! ダンジョンの罠にひっかかりまくる魔王を見て、下級悪魔・ヨユヤは思っていた。「この人、本当に魔王さまなのかな……?」 天然魔王×下級悪魔でおくるダンジョン視察コメディ、開幕!!


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