【オススメ】 保谷伸/まくむすび


まくむすび 1 (ヤングジャンプコミックス)

■【オススメ】漫画を描くのが好きだった子が 高校で演劇部に入部する。

ここからしばらくはレビュー漏れシリーズとなります。 まずは高校演劇部もののこの作品から。


高校に入ったのを機に、ずっと一人で描いてきた漫画を辞めようと 決意した主人公。なのに通学カバンの中に創作ノートが。しかも 処分しようとしたそのノートの中身と同じ内容が、演劇部の新歓 イベントの演目になっていたのだった。


友人によくわからないと言われて以降、描いた漫画を見せるのが 怖くなっていた主人公。実際は、「顔ゴマばかりで状況がわからないし」 というのが理由なのだろうが、そうした客観視された意見を得られず、 それ故成熟しなかった彼女の作品は、しかし、「漫画としてはとても読めたものじゃないが」「素晴らしい戯曲だった」と。脚本を書くこと、 そしてそれが演じられることに興奮を感じた主人公は演劇部に入ることになる。


演劇部にはクセのある人物がおり、彼女が的確につっこむそのおかげで話がスムーズに回る。まぁずるい手ではある。この演劇部は昨年なにかあったらしくてそのため部員が激減、ただしその何かはまだ明らかにされず。なお過去には入賞もしていたらしくトロフィーもあるのだが、顧問も離れ今はやる気も理解もない教師が担当でついている状態。今後展開に利用できる材料は色々。


一方、演劇ものは別に珍しくもない。その中で、主人公が演劇によって物語作りに 目覚めのめり込んでいくという作りは、演じる方ではなく作る方に注目している点で ユニーク。創作演劇をする部活、という設定なのでそれが活きる形になっている。


【データ】
保谷伸
まくむすび
【発行元/発売元】 ※電子版で購入
■評価→ B(佳作) ■続刊購入する?→★★★★
■購入:
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「高校演劇」との出会いが、すべてを変えた―― 仙台星見高校に入学した土暮咲良には、誰にも言えない創作活動への秘めた熱意があった。ある“きっかけ”で創作を諦めかけていた彼女だったが、「高校演劇」や仲間との出会いによって、彼女の日常は“劇的”に変化していくことに―― いま、誰もが輝く青春群像劇の幕が上がる!


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【オススメ】 稲葉そーへー/貧々福々ナズナさま!


貧々福々ナズナさま! 1 (ヤングジャンプコミックス)

■【オススメ】 貧乏神に取り憑かれるお話、だがその貧乏神の設定が ユニークで実に良い。

貧乏神が取り憑いたのは、ブラック系な企業に勤める28歳の社畜だった。


神様ファンタジーもの、だがこの幼女の姿をした神様は貧乏神。 しかも願いごとを叶えることができるという。しかしそのかわりに、 願い事が叶うと何かが壊れるという。しかも何が壊れるかは、 神様にもわからないのだと。そして壊れたものを見て彼女は「また買えばいいじゃん!」と言い放つ。なるほど確かに貧乏神なのだった。


この、願い事を叶える、だが物が壊れるのが代償、という貧乏神設定は面白い。 しかも願い事が叶ったことに青年が福があると思ったら「福印」がたまるという。 このポイントカードのような福印をためて福の神にジョブチェンジするのが 貧乏神の願いなのだった。このシステム設定が巧い。


実はこの世には福の神も貧乏神もたくさんいる。 ということで神様が追加で登場することで話が広がっていく。 普通は人間に神は見えないのだが、願い事をしてもらいたいために取り憑いた相手に 可視の術を使ったということで、青年だけにしか神様は見えない。 というのではあれなので、福の神が取り憑いていた同僚に願い事を使って 彼女も神様が見えるようにする。これで神様ばかりインフレになる物語展開にはならずに済んだ。


願い事を等価交換で叶える設定の妙で楽しい異能力巻き込まれ型コメディとなっている。


【データ】
稲葉そーへー
貧々福々ナズナさま!
【発行元/発売元】 集英社 (2020/1/17) ※電子版で購入
■評価→ B(佳作) ■続刊購入する?→★★★★
■購入:
amazon→ 貧々福々ナズナさま! 1 (ヤングジャンプコミックス)
社畜サラリーマンの一色孝雄。ある日終電で帰宅すると部屋にはカワイイ女の子が…? その正体は、貧乏神のナズナ様! 願いをかなえる代わりに何かが壊れる迷惑な神様に取り憑かれた、器の小さい男の波乱の日常ここに開幕!


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【オススメ】 七海仁、月子/Shrink〜精神科医ヨワイ〜


Shrink〜精神科医ヨワイ〜 1 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)

■【オススメ】 精神科医にまつわる話を真摯に描く。

雑誌編集者である女性は最近全然眠くならない。睡眠をとらなくても平気なタイプだと自認していたが電車に乗っていた際いきなり息苦しくなり倒れてしまった。そこに居合わせたのが精神科医。冷たい彼女の手を温めながら一緒に数字を数えながら呼吸してみると、彼女は少し楽になり落ち着いてきた。しかし会社に戻って会議に出たところ再び発作が出てしまう。救急車で運ばれたが特に異常はなし。今日だけで二回も発作があったと訴えると、医師からは精神科にかかってみることを勧められる。しかし彼女には抵抗があり、それでも不調が続いたことから、心療内科なら…と受診をしてみる。だが医師は自分を一度も見ないままに薬を処方。不安が募り、電車にも乗れない。そんな状態の駅のホームで彼女は再び件の精神科医を見つけ、すがりつく。


主人公は精神科医。ちょっとぬぼっとした風貌だが実はエリート、だが大学病院の研究職には戻らず開業医をしているという状況で、それには彼の過去の経験が関わっているらしい。そんな彼の目的は、患者の命を助けること。自分と出会った人は1人も絶対に死なせない、と誓っている。そんな彼のクリニックを舞台にした話。患者によりいろいろなケースが提示されていくことになる。


医療ものだが本作の場合、医者になどかかりたくない、という思想以上に、精神科にかかるのは嫌だとか問題があると思われるのではないかという障壁がある点をテーマの一つにしている。日本の精神病患者は30人に1人程度、アメリカでは3人に1人が精神疾患を持っていると。しかし日本の自殺率は先進国最悪レベル。アメリカではちょっとしたことで予約を入れて会う相手が精神科医。確かにウッディ・アレンの映画ではおなじみな風景。日本の場合、病院は「特別なところ」で、「そんなこと」で行くことではない、という発想は高齢者以外の大概の人がもっていて、特に精神科については余計にそうした意識がある。日本は隠れ精神病大国だと。そのことを前提に、主人公は行動をしている。


精神科はこころの症状を診るためのもの、心療内科はストレスなどで身体に不調がある人を診るためのもの。精神科には精神医療を専門に学んだ医師しかいないが、心療内科には様々な心療科出身の医師がいることがあり、一部には精神疾患に詳しくない医師もいるのが事実と。


その上で一巻で取り上げられるのは、パニック障害、微笑みうつ、大人の発達障害。巻末ん見は「困ったときの相談先」というページもあり、なるほど、と思いつつもあげられるのが全国保健所一覧、全国精神保健福祉センター一覧、全国いのちの電話一覧、それぞれのURLと、まぁそういうことにしかならないよな…。病院、医者に関しては、本当に、どこに行くのが良いのか、口コミやコネクションくらいしかないし、とはいえ患者はアマチュアでしかないのでプロの目から見てどうなのかはわからない、そのプロの視点での評価は出回らないし問題のある医師はネガティブな情報が出ると名誉毀損などで訴え圧力をかけたりするというのが現状でもあり…。その点でかかりつけ医を作れという国の方針は正しいっちゃあ正しいが、そのかかりつけ医でも専門外のことはコネクションもなかったりするので堂々巡り。本作の場合も最初の2エピソードは接点のある医師のところへ行くという展開なので、結局、その病院を選ぶきっかけがあるかどうかが重要なのかもしれない。


漫画は悩み困惑し焦る患者に対し、ゆったりと受ける医師という構図で、テーマや題材から当然だが上から高圧的に描く話ではなく、そして大抵の人が自身も経験しなくもないシチュエーションが提示されており、フィクションとして読みながらも現実に引きつけて考えられる内容となっている。


【データ】
原作=七海仁、漫画=月子
Shrink〜精神科医ヨワイ〜
【発行元/発売元】 集英社 (2020/1/17) ※電子版で購入
■評価→ B(佳作) ■続刊購入する?→★★★★
■購入:
amazon→ Shrink〜精神科医ヨワイ〜 1 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)

【雑誌掲載時の著者カラー原画を収録したリマスター版!】パニック障害、うつ病、発達障害――。隠れ精神病大国と呼ばれる日本は、その名の通り、精神病患者の数自体は、アメリカ等と比べると少ない。その一方で、自殺率は先進国の中でも最悪レベル。悩んでいても“精神科は特別なところ”という思いこみが、人々の足を遠のかせてしまう…。精神科医・弱井は、そんな日本の現状を変えていき、一人でも多くの“心”を救うべく、こう願う――。「僕はこの国に、もっと精神病患者が増えればいいと思っています」


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【オススメ】 小賀ちさと/只野工業高校の日常


只野工業高校の日常 1 (ヤングジャンプコミックス)

■【オススメ】ヤンキー風な少年たちのかわいらしい話。

工業高校を舞台にした普通の少年たちの話。女子もいなくはないが絶対数が 少なく、電気科2年は6名いるらしいのだが一巻巻末までは物語のフレーム上に ほぼ現れてこない。


話は、ヤンキーに見えるが実際は真面目な子たちの日常を描く内容。 まぁカンニングしようとしたり日々ずぼらだったりもするが、 その実、国家資格をすでに取得していたり、工業高校在学をかわれて バイトに採用されていたり。本当に根っからやばめの 人物はとっくに退学している、ということであるようだが。


4コマ的な構成で概ね2ページでネタ終了。 基本内容はほんわか。あざとさ狙ったかわいい系ではない男子が 自然な距離感で戯れている図は寧ろ狙った作品よりも可愛いのでは。


電気科周りをじっくり描いたあとで、他の科に話を広げ、 巻末では転校生の女子を出してきて、という展開の仕方も上手。 学校の特性もきちんと絡めていて、全体的に丁寧な作り。 続刊も楽しみ。


【データ】
小賀ちさと
只野工業高校の日常
【発行元/発売元】 集英社 (2020/1/17) ※電子版で購入
■評価→ B(佳作) ■続刊購入する?→★★★★
■購入:
amazon→ 只野工業高校の日常 1 (ヤングジャンプコミックス)
とある雪国の片田舎にある只野工業高校。そこに通うのは、ピアスに金髪だけど国家資格持ちの“赤崎”、時給アップのためなら乙4だって取る“かっちゃん”、工業生なのに普通教科より専門教科が苦手な“やっちん”を始めとする愉快な生徒たち! SNSでも話題沸騰中の工業的青春コメディ開幕!!


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【オススメ】KUJIRA/ホンノウスイッチ


ホンノウスイッチ(1) (BE LOVE KC)

■【オススメ】幼馴染が恋人関係になる、初々しくもオトナな話。

朝起きると裸で幼馴染と寝ていることに驚くヒロイン。2年半付き合っていたと 思っていた彼氏に振られ、幼馴染とやけ酒していた際に、セックスレスだったことを嘆いたところ勢いでそういう身体の関係になったのだった。動揺する彼女に対し、幼馴染の男子はこれを機会にと積極的にアプローチを始める。


幼馴染を、アクシデントから恋愛対象として意識しはじめる話。それがやることやってから、というのがオトナなところ。彼氏彼女の関係だと別れてしまうとそれで終わり、それなら大事な相手とは安全な位置でずっと友達のままでいよう、として幼馴染という関係を続けてきた二人。その関係を変えるには、まず一線を超える必要があったということか。


遅れてきた初恋ゆえにとまどっていた二人、特にヒロインが、どう幼馴染から恋人という関係に気持ちをシフトしていけるか。とはいえ今後は特にポイントとなることもないような気がするが、何をどう描いていくのかも含めて期待。


【データ】
KUJIRA
ホンノウスイッチ
【発行元/発売元】 講談社 (2020/1/10) ※電子版で購入
■評価→ B(佳作) ■続刊購入する?→★★★★
■購入:
amazon→ ホンノウスイッチ(1) (BE LOVE KC)
彼氏にフラれた翌朝、目が覚めると、昔から知る幼なじみ・聖(ひじり)と同じベッドに!?失恋でショックのはずなのに、小和(こより)は「好きだ」という聖の言葉がどうしても忘れられなくて……!?「幼なじみ」から「恋人」って、どうやってなったらいいの!? 電子書店で大人気!オトナの初恋が初々しい、脱・幼なじみ じれキュンLOVE!【分冊版「ホンノウスイッチ」1〜4巻を収録】


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【オススメ】小宮みほ子/溶けないし混ざらない


溶けないし混ざらない(1) (Kissコミックス)

■【オススメ】愛を信じられない者たちの恋愛群像劇。

内定後の会社の研修を受けた帰りの男子はほんわか した感じに見える女子に声をかけられる。そこで幸せな 気分になったが、家に帰ると彼女が一週間ぶりに戻ってきていた ことで今度はモヤモヤ。ゲームをしたいのに、彼女がいる。 その事実に落胆する自分がいた。


今の彼女との関係にときめきを感じられず、もっとキラキラした場所にいきたい、と思った男子は結局彼女と別れる。一方、気になった女子には同僚から あの手のタイプが一番キケンと釘を差されていたのだったが、飲み会の後、流れでそういう関係に。しかも、彼女は彼氏持ち、そしてこの一夜の経験もその彼氏にバレていて彼はホテルに向かっているというのだった。


先見の明のあった同僚男子も、束縛の強いお嬢様な彼女から、結婚まで持ちかけられたことでその重さにたまらず同棲していた部屋を出る。結果、件の男子のもとへお仕掛けて男性二人暮らしとなるのだが、とはいえ勿論BLな方向には話は向かわず。


同じ会社に勤める新入社員男女3人の物語。彼女がいながら二人の未来が見えずに別れてしまった男子と、彼氏がいながらやはり未来が見えていない女子。男子はキラキラしたものに憧れるが、足を踏み入れてみれば自分にはそれは無理だと悟る。一方女子は恋愛について醒めている、のだが男子にちょっかいを出したように実はどこかで彼に惹かれている部分はある。それは彼が普通に傷つきちゃんと気に病んでくれる人だから、なのだろう。


彼らの2度め以降の恋を描く話だが、これが1度めの恋という人物も投入してきて対比を見せているのも巧い。社会人一年目の割には恋愛ばっかりだなこいつら…ってことを除けば100%面白い、青春群像劇である。


【データ】
小宮みほ子
溶けないし混ざらない
【発行元/発売元】 講談社 (2020/1/10) ※電子版で購入
■評価→ B(佳作) ■続刊購入する?→★★★★★
■購入:
amazon→ 溶けないし混ざらない(1) (Kissコミックス)
添田和哉は大学を卒業し、この春から社会人。就職先で出会った大和田さやかにひと目ぼれする。長年付き合った彼女との倦怠ムードに嫌気がさしていた添田は――。泣けて、笑えて、切なさに胸が詰まる、交わらない想いを描く恋愛群像劇!


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【オススメ】 堂本裕貴/ネクロマンス


ネクロマンス(1) (講談社コミックス)

■【オススメ】勇者は魔王と相討ちになり死んだ。だが愛の力だかで生き返る。ただし、ゾンビとして。

魔王が降臨した世界。神は封印される直前にその力を人間に与え、与えられた者は英雄として魔王と戦った。ただし相討ちの結果、勇者は死んでしまうことに。しかし葬儀のさなか、幼馴染の大聖女の愛の力か、英雄は生き返る。しかしその大聖女と結ばれようとすると、彼の身体は聖的なものを受け入れなくなっていた。彼はアンデッドになっていたのだった。


聖属性の力でダメージを受けるので、聖女である幼馴染とは結婚を誓うも触れられない。回復魔法も受けられない。それはどうやら倒したはずの魔王の呪い。つまり魔王もまだこの世界で生きているということ。そこで、愛する者との夫婦生活のため、魔王を倒す旅に出ることに。


触りたいけど触れないラブコメディという、一捻りしたファンタジー。他の魔物たちとも合流しつつの珍道中ロードムービー。可愛らしさもあり、いいところをついている。


【データ】
堂本裕貴
ネクロマンス
【発行元/発売元】 講談社 (2019/11/15) ※電子版で購入
■評価→ A(絶品) B(佳作) ■続刊購入する?→★★★★
■購入:
amazon→ ネクロマンス(1) (講談社コミックス)
魔王を打ち破った勇者シブキは、魔王の呪いでアンデッドになってしまった! 愛する聖女サフィに触れる事すらできなくなった失意のさなか、倒したはずの魔王も生きている事が明らかに。シブキ一行は世界平和のため、そして呪いを解除して再びサフィに触れるため、魔王を探す二度目の旅に出る――!! 主人公が死んで始まる愛と勇気の冒険譚、堂々開幕!!



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